キャデラックのEV、走行状況の95%でハンズフリー運転可能に…『セレスティック』

高速道路だけでなく市街地でもハンズフリー運転を可能に

20個以上のセンサーによって車両の周囲を360度認識

1回の充電での航続は最大483km

ハンズフリーの部分自動運転が可能なキャデラックのスーパークルーズ
ハンズフリーの部分自動運転が可能なキャデラックのスーパークルーズ全 10 枚

GMは3月7日、キャデラックの大型EVセダン『セレスティック』に、新しい先進運転支援システム(ADAS)の「ウルトラクルーズ」を搭載すると発表した。すべての走行状況の95%で、ハンズフリー運転を可能にするという。

◆高速道路だけでなく市街地でもハンズフリー運転を可能に

ウルトラクルーズは、米国とカナダの延べ200万マイル以上の道路をカバーする。ウルトラクルーズを利用すれば、高速道路だけでなく、市街地や舗装された田舎道など、ほぼすべての道路をハンズフリーで移動できるという。GMのハンズフリー先進運転支援システムには「スーパークルーズ」がある。今後GMは、量販車向けにスーパークルーズ、プレミアムエントリー車向けにウルトラクルーズを設定していく。

ウルトラクルーズは、GMの新世代ソフトウェアプラットフォーム「アルティファイ」と、スケーラブルなコンピューティングアーキテクチャ「Vehicle Intelligence Platform」をベースにしている。ウルトラクルーズは無線更新を通じて、新しい機能やサービスを追加することができる。

アルティファイでは、無線通信を経由してデータを送受信することによって、ソフトウェアで定義された機能やアプリ、サービスなどをシームレスに顧客に配信できるようになる。これにより、より多くのクラウドベースのサービスや迅速なソフトウェア開発、顧客ロイヤリティ向上への寄与など、新たな可能性が広がることになるという。

キャデラック・セレスティックキャデラック・セレスティック

◆20個以上のセンサーによって車両の周囲を360度認識

ウルトラクルーズは、スーパークルーズにはない新しい自動運転機能を備えている。例えば、新開発のディスプレイを通じて、システムの利用経験に基づいた情報をユーザーに提供する。また、自動での車線変更や右左折、障害物との衝突の回避、駐車支援も行う。このシステムは、20個以上のセンサーによって、車両の周囲を360度認識する機能も備えている。ウルトラクルーズは、カメラ、レーダー、LiDARを組み合わせて作動する。ウルトラクルーズでは、フロントガラスの後ろにLiDARを組み込んでいる。

ウルトラクルーズの重要なコンポーネントが、ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)だ。このインターフェイスを通じて、システムはドライバーに情報を提示し、ドライバーが車両を制御する必要がある場合には、それを通知する。現在スーパークルーズで使用されているHMIをベースに開発されたウルトラクルーズのHMIは、ドライバーとシステムが同じものを認識していることを示すという。

搭載車両の主要なHMIが「ウルトラクルーズ・ダイナミックディスプレイ」だ。これは、ドライバーの視線に直接表示されるフリーフォームディスプレイで、ドライバーが前方の道路に集中できるように設計されている。

キャデラック・セレスティックキャデラック・セレスティック

◆1回の充電での航続は483km

セレスティックは、キャデラックブランドの新たなフラッグシップセダンに位置付けられる。セレスティックのベースは、GMが開発した第3世代のEVプラットフォーム「アルティウム」だ。GMの新世代EVプラットフォームは、柔軟性があると同時に、設計や開発にかかる時間を短縮し、顧客の要望に迅速に対応することを可能にした。キャデラックをはじめ、シボレー、GMC、ビュイックの各ブランドのさまざまな車種に、GMの新世代EVプラットフォームは拡大展開される予定だ。

セレスティックのEVパワートレインのモーターは前後に搭載され、システム全体で600hpのパワーと88.5kgmのトルクを引き出す。パワフルなツインモーターは、0~96km/h加速3.8秒の性能を可能にする。

GMが開発したアルティウムバッテリーも採用された。アルティウムは、大容量のパウチ型セルをバッテリーパック内で垂直にも水平にも積み重ねることができるのが特徴だ。これにより、エンジニアは各車両のデザインに応じて、バッテリーの蓄電容量やレイアウトを最適化することができる。セレスティックの場合、バッテリーは蓄電容量111kWh。1回の充電での航続は最大483kmに到達する、としている。

《森脇稔》

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