外部パワーアンプは“動作方式違い”で音が変わる[カーオーディオユニット AtoZ]

「外部パワーアンプ」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:レジェーラ<静岡県>)。
「外部パワーアンプ」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:レジェーラ<静岡県>)。全 4 枚

愛車のサウンドシステムを、今よりもっと高性能化させたいと考えている方々のために、製品情報をさまざま発信している当コーナー。現在は「外部パワーアンプ」にスポットを当てている。今回は、「動作方式違い」があることを説明していく。

さて前回までは、「ch数違い」について解説してきたが、「外部パワーアンプ」には「動作方式違い」もいくつかある。

なお「動作方式」とは、音楽信号の増幅を行うその回路の動かし方だとイメージしてほしい。で、その違いにより性能的な特徴が現れる。

ちなみに、カー用の「外部パワーアンプ」では、「A級」、「AB級」、「D級」、この3つが存在している。なおこれらアルファベットは、良し悪しや階級を表すものではない。単なる名称だ。

ところで実は、もう1つ「B級」と呼ばれる「動作方式」も有り得ている。そして「A級」と「B級」は、仕組みとして対極的な関係にある。ゆえに特徴も正反対だ。まず前者は、効率は悪いが音的には高品位だ。信号を増幅する際に電気を多く使うこととなり、熱に変わってしまう割合も高い。しかし音質性能的には利がある。対して「B級」は、効率は良いが音質性能的にはビハインドがある。ゆえにカー用の「外部パワーアンプ」では「B級」のモデルは見当たらない。

で、「AB級」はズバリ、その2つの良いとこ取りをした仕様となっている。効率はそれほど悪くはなく、音質性能もなかなかに良好だ。ゆえにカー用の「外部パワーアンプ」では、「A級」のモデルよりも「AB級」のモデルの方がかなり多い。

そうである理由の1つは、「AB級」の方が使いやすいからだ。純粋な「A級」モデルは消費電力がそこそこに大きな場合があり、そういったタイプのモデルを複数使う場合などには電源強化策を講じる必要性が生じることがある。また熱対策も入念に行いたい。その点、「AB級」は、それらについて心配する必要性は比較的に低い。

なお昨今は、純粋な「A級」ではないものの「A級動作」に近づけた設計が成されたモデルも増えつつある。そしてそれらは大概、「A級」ならではの効率の悪さを可能な限り排除しかつ、「A級」的な高品位なサウンドが得られるように工夫されている。細かくは各社ごとで設計の仕方が異なるが、音にこだわったモデルを探していたら、「A級」に近い「動作方式」が採用されているモデルにも注目してみよう。

ただし、最終的には聴いて選びたい。「動作方式」の違いですべてを決めつけることなく、音の印象で買うべきモデルを選択しよう。

今回は以上だ。次回は「D級」について詳しく解説する。乞うご期待。

《太田祥三》

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