3月24日から26日まで開催された「東京モーターサイクルショー2023」で、ひときわ規模の大きいブースを構えていた株式会社プロト。二輪好きには、イタリア生まれの老舗バイクブランドであるベネリモーターサイクルの正規輸入元として、はたまたブレンボやアクラポビッチといった有名パーツの代理店としてお馴染みだろう。
また、自社開発のパーツやアイテムでも支持を集め、かつてはオリジナル車両のロードホッパーが世界的な人気を博した実績も持つ。近年では電動モビリティの普及にも力を入れており、業界の先端を走るリーディングカンパニーだ。バリエーション豊かな内容で、思わず目移りしそうなプロトのブースの見どころを順番にレポートする。
100年以上の歴史をもつイタリアの古豪「ベネリ」注目の125ccモデル「レオンチーノ125」が初披露
ベネリ『レオンチーノ125』(東京モーターサイクルショー2023)1911年設立で、イタリアの伝統ある5大ブランドに数えられる「べネリ」。本国イタリアでは広く現地の人々に親しまれている古豪メーカーだ。会場には、販売中のモデルのほか、市販前提の参考出品車も並んだ。
ベネリ『レオンチーノ125』(東京モーターサイクルショー2023)最注目は1951年に生まれた伝統の車名を受け継ぐ『レオンチーノ』。従来の250に加え125が5月下旬に発売予定で、その125ccモデルが日本初披露となった。フレームや足回りは専用設計ながら、エクステリアのデザインは250と共通のテイストで、一見して125ccクラスとは思えない迫力を感じさせる。これはベネリの各モデルに共通して言えることで、ひとクラス上のサイズ感と剛性で、予想以上の安定した走りが味わえるという。レオンチーノ125の価格は、45.32万円とのことだ。
ベネリ『TRK502X』(東京モーターサイクルショー2023)加えてデュアルパーパスの『TRK502X』がデビュー。イタリアのバイク市場では、昨年まで3年連続で販売ナンバー1に輝いているモデル、TRK502のアドベンチャー仕様だ。熟成を重ねた500ccエンジンを積み、エンジンガードやナックルガード、リアキャリアなどを標準装備。価格は税込みで100万円を切る見込みで、人気が高まっているこのカテゴリーの台風の目になりそうな1台だ。
ベネリ『インペリアーレ400』(東京モーターサイクルショー2023)この他にも、スポーツネイキッドの『TNT』シリーズや、クラシックスタイルの『インペリアーレ400』など、日本導入モデルが一堂に並んだ。
さらに同じくベネリの名を持つ、電動アシスト付き自転車も展示。軽自動車の荷室にも収まる折りたたみモデルから、クロスバイク、新導入のシティサイクルまで、さまざまなニーズに応えるラインナップが揃っている。
一充電走行距離70km! コスパ抜群の電動バイク『GEV600』日立との実証実験も開始
ゴッチア『GEV600』(東京モーターサイクルショー2023)近年注目度が高まっている電動スクーターも見逃せない。現在販売中の『GEV600』は原付一種規格だが、よりパワフルな原付二種規格モデルや、今夏導入の特定小型原付に適合する電動モペッドも参考出品。
ゴッチア『GEV600』(東京モーターサイクルショー2023)GEV600は一充電走行距離が70kmあり、通勤や通学などの近距離移動を中心として、毎日利用できるコミューターとして活躍する。パワー低下や充電の煩わしさをへらすことで、ストレスフリーに日常使いできることがわかるだろう。
ゴッチア『GEV600』(東京モーターサイクルショー2023)また、バッテリーを手軽に交換できる構造を生かし、ATMなどと充放電アダプタを共用する実証実験を日立と連携してスタート。会場ではバッテリー充電のデモンストレーションも実施した。
ブース奥には、映画『アイアンマン』で使用されたロードホッパーが鎮座する。それと並ぶのは、2017年に生産終了したロードホッパーのテイストを、1990年代のハーレーをベースに再現した『ZDC-80B』だ。独特の3拍子アイドリングや、排ガスや音量の規制が厳格化する以前のサウンドを楽しめるエボリューションエンジンを完全オーバーホールし、ハーネス類にいたるまでほぼ新品パーツを使用する。
ロードホッパー(東京モーターサイクルショー2023)リアサスペンションを備えるため、リジッドのロードホッパーに比べ乗り心地や操縦性が付き合いやすいものになるというメリット。本体価格は283.8万円だが、ベースとなる中古車の価格高騰やエンジンオーバーホールの費用、カスタム内容を考えればバーゲンプライスだろう。
近藤芳光社長は、「今まではパーツ屋と認識されていましたが、今後は車両を中心にして、それをより快適に、安全に楽しんでいくというところに力を入れて、それに付随するアクセサリーも提供していければと考えています」と語る。
株式会社プロト 近藤 芳光社長(東京モーターサイクルショー2023)特に電動バイクをはじめとする電動モビリティについては「今後は外せないものになるでしょう。年内には新たに4機種を導入したいと考えています」という。さらに「輸入車がかなり出回っていますが、われわれは日本の法規や交通事情をしっかり意識した、安心して使っていただけるものをお届けしていきます」とのことだ。
「あったらいいよね!」に応える充実のアフターパーツ、車種や用途に応じてお気に入りの1品を探してみよう
プロト(東京モーターサイクルショー2023)近藤社長の言葉通り、長い経験を持つパーツ類に関しては、まさに痒いところに手が届く品揃え。オリジナル商品では、展開式サイドウイングキャリアを備える「プロフェスト・ツーリングマルチキャリア」や、体圧分散と衝撃吸収に優れたEXGEL内蔵クッションの「エフェックス・ゲルザブ」といった、快適なツーリングをサポートしてくれるアイテムが充実している。
スウェッジライン(東京モーターサイクルショー2023)さらに輸入パーツも豊富に揃う。ブレンボでは、サーキット走行にも対応する冷却フィン付きモノブロックキャリパーの「GP4-MS」や、調整機構が拡充されたマスターシリンダーの「RCSコルサコルタRR」を参考展示。より車両とのフィッティングを高め性能を引き出すサポートパーツや、プロトの代名詞的なパーツの1つである自由度が高いオリジナルのブレーキホース「スウェッジライン」も注目パーツだ。
アクラポビッチ(東京モーターサイクルショー2023)WSBKやMotoGPでも幅広く支持されるアクラポビッチのエキゾーストパーツも、1998年から取り扱いを続けている。モータースポーツの世界で鍛えられた実力を備えながら、排ガスと騒音の規制をクリアしたJMCA政府認証マフラーとするべく、アクラポビッチとの共同開発を行なっているので、ストリートでも安心して使用することができる。
プロフェスト(東京モーターサイクルショー2023)1975年に設立したハードケースやソフトバッグの「ヘプコ&ベッカー」では、容易な脱着と確実な固定、スッキリした外観を兼ね備える「C-Bowサイドキャリア」が注目されている。対応するバッグやケースも多数用意されており、様々なニーズに対応してくれる。
バイクや電動自転車から、その楽しみの幅を広げる個性豊かなパーツ、さらにはそれらを活用した楽しみの幅を広げてくれるバイクやクルマの積載性を考えたアウトドア用品など、バラエティに富んだ商品展開のプロト。自身のバイクライフにプラスαを求めるなら、ぜひともプロトの製品に注目してみよう。
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