シトロエンが移動の未来を提案、載せ替え可能な3種類の「ポッド」発表…上海モーターショー2023

フランスの香水がモチーフの「コージー・カプセル」

移動中のエンタメを追求した「イマーシブ・エアー」と「ワンダー・カフェ」

電気モーターを内蔵した球面タイヤで全方位に移動

シトロエンのポッド「コージー・カプセル」、「イマーシブ・エアー」、「ワンダー・カフェ」。手前はポッドの土台「スケート・モビリティ・コンセプト」
シトロエンのポッド「コージー・カプセル」、「イマーシブ・エアー」、「ワンダー・カフェ」。手前はポッドの土台「スケート・モビリティ・コンセプト」全 10 枚

シトロエン(Citroen)は、上海モーターショー2023において、車台のみのEVの上に組み合わせる載せ替え可能な3種類の「ポッド」を初公開した。自動運転で移動できる次世代モビリティサービスの提案だ。

◆フランスの香水がモチーフの「コージー・カプセル」

シトロエンの「コージー・カプセル」シトロエンの「コージー・カプセル」

載せ替え可能な3種類の「ポッド」は、中国人のライフスタイルニーズに合わせて設計された。3種類のポッドは、それぞれ「コージー・カプセル」、「イマーシブ・エアー」、「ワンダー・カフェ」と命名されている。

コージー・カプセルは、最大2名が乗車可能で、プライベートな移動体験をもたらす。朝の通勤時にはリラックスでき、帰宅時には1日の疲れを癒すことが可能。このポッドのデザインは、フランスの香水に着想を得ているという。

透明なシェルの内側には、オレンジ色の卵の殻のようなシートをレイアウトした。このシートは、フルフラットにできる。人間工学に基づいた設計とアルカンターラを使ったソフトタッチトリムが、シトロエンの「アドバンスド・コンフォート・テクノロジー」を表現している。

◆移動中のエンタメを追求した「イマーシブ・エアー」と「ワンダー・カフェ」

シトロエンの「イマーシブ・エアー」シトロエンの「イマーシブ・エアー」

イマーシブ・エアーは、楕円形のフォルムを備えた多人数乗車できるポッドだ。外装はダークグレーズに、メタリックな輝きを放つパラメトリックパターンを組み合わせた。視認性とプライバシーを両立させるスライディングドアとパノラミックウインドウを装備した。乗員は、音楽を聴いたり、歌を歌ったり、ビデオゲームをしたり、映画を見たりして、移動の時間を楽しむことができる。

このポッドは、車内に一歩足を踏み入れただけで、没入感のある世界へ乗員を導く。インテリアのムード照明がカラオケやゲームを盛り上げ、サラウンドサウンドとシンクロするデジタルアニメーションが、没入感を高めている。デジタルアニメーションは、再生される音楽に合わせて、グラフィックが変化する。4Kディスプレイ、ムード照明、天井にマイクが装備されている。ラウンジシートは、シトロエンのコンフォートスタンダードに照らして、人間工学に基づいて設計された。柔らかいクッションで、リラックスできるという。

シトロエンの「ワンダー・カフェ」シトロエンの「ワンダー・カフェ」

ワンダー・カフェは、2名の乗員が料理や飲み物を味わいながら移動できるオープンエアポッドだ。他の2つのポッドとは異なり、都市の風を感じながら移動を楽しめるオープンタイプのポッドになる。 360度見渡せる対面式のシートを装備した。

シートの背もたれはポッドの足元まで伸びており、クッションはカーブして床とつながっている。ドアがないため、乗降性に優れるという。HMI一体型のテーブルディスプレイで注文して、セルフサービスでフードやドリンクを購入できる。

◆電気モーターを内蔵した球面タイヤで全方位に移動

それぞれのポッドの土台部分になるのは、シトロエンが次世代モビリティテクノロジーの共通車台として開発した「スケート・モビリティ・コンセプト」だ。スケート・モビリティ・コンセプトは、提携先のサービスに応じて、それぞれの用途に適したモビリティツールとして開発された。スケート・モビリティ・コンセプトの上にポッドを袈装し、専用道路を走ることで、都市中心部をスムーズかつ適切に移動することができる。バッテリー、電気モーター、レーダーやレーザーなどを搭載しており、モーター駆動により自動運転で走行する。市街地での移動に特化しており、最高速は25km/hに制限されている。

スケート・モビリティ・コンセプトには、「PHC(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)」を装備した。これにより、移動中の快適な乗り心地を追求する。グッドイヤーが開発した「Eagle360」タイヤは全方向性で、小型の電気モーターを内蔵した球面タイヤで構成されている。このタイヤにより、車体を360度、自由に移動させることが可能になるという。

なお、スケート・モビリティ・コンセプトはオープンソースで、シトロエン専用の技術インターフェースを遵守すれば、誰もがサービス部分のサービスポッドを開発することが可能、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  2. 「衝撃の価格」中国メーカーの大型3列シートSUVが話題に!「むしろ経営が心配」の声も
  3. 「復活まじうれし!」「全色欲しい」新型スズキ『GSX-R1000』発表に、SNSは話題沸騰!
  4. トヨタ「クラウン」「アルファード」など21車種、64万台超の大規模リコール[新聞ウォッチ]
  5. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る