担当編集者も愛するランチア! 魅力がぎっしり詰まった1冊

スクランブルアーカイブ・ランチア
スクランブルアーカイブ・ランチア全 10 枚

『スクランブル・アーカイブ ランチア』
発行:ネコ・パブリッシング
定価:1980円
ISBN978-4-7770-2699-9

【画像全10枚】

カー・マガジン(ネコ・パブリッシング刊)に掲載された過去のアーカイブから選りすぐった記事と新規記事を織り交ぜて再編集をしている人気シリーズ「スクランブル・アーカイブ」から、ランチアが刊行された。

1906年に誕生したランチア。ここ数年は鳴かず飛ばずであったが、2024年には新型『イプシロン』を発表し、その後、2028年までに3つの新たなモデルを発表するという。

そのタイミングに合わせたかのように、人気の高い『ストラトス』や『デルタ』などのスポーツモデルや、『アウレリア』、そしてこれからのランチアの未来像が語られている1冊がこのスクランブル・アーカイブ ランチアだ。

さらに近年レストモッドと呼ばれているなかの1台、『デルタ・フトゥリスタ』が表紙とトップページを飾る。レストモッドとは、ある車両をベースに現代の技術を応用し、そのクルマがいま作られたらどうなるか、をテーマとして作製されたものである。例えばこのデルタ・フトゥリスタでいえば、ベースは『デルタインテグラーレ』で、ボディはカーボンファイバー、しかも2ドア化することで剛性を確保するとともにオリジナルより90kg軽量化に成功。エンジンも手が入れられオリジナルよりも100psもパワーアップしているという。さらにあのラリーの名手、ミキ・ビアシオンが作った自分で乗りたいデルタ、『エボ・マルティニ・レーシング』も掲載されているのも興味深い。因みにこの2台は日本メディア初公開で、既にガレーヂ伊太利屋の手で日本の地を踏んでいるクルマだ。

ランチアのラリードライバーといえばサンドロ・ムナーリも忘れてはいけない。彼が来日した際のインタビューや、ヴィンチェンツォ・ランチア生誕の地、フォベッロの訪問記などランチアファンも唸らす内容となっている。

なお、本書を編集した担当者も生粋のランチア乗りで、デルタ16V、イプシロン・モモデザインを乗り継いできた人物だ。「以前発売した『スクランブル・アーカイブ ランチア・デルタ』が好評だったことから第2弾としてランチア全般にテーマを広げた1冊を作った。自分のイプシロン・モモデザインを出演させた歴代イプシロンの記事と、ヴィンチェンツォ・ランチア生誕の地であるイタリア・フォベッロ訪問記を両方再収録できたので、思い残すことはない」とコメントし、渾身の1冊が完成したと述べていた。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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