BMW『X5』の燃料電池車、将来の量産化も想定…カンヌ国際映画祭に出展へ

約100台を生産しリアルワールドでの実証テストへ

BMWの直6ターボの出力に相当する374hpのパワー

エアロホイールに天然ゴムとレーヨンを使用したタイヤの組み合わせ

BMW iX5 ハイドロジェン
BMW iX5 ハイドロジェン全 10 枚

BMWグループは5月4日、SUV『X5』をベースにした燃料電池車『iX5ハイドロジェン』(BMW iX5 Hydrogen)を5月16日、フランスで開幕する「第76回カンヌ国際映画祭」に出展すると発表した。

写真:BMW iX5 ハイドロジェン

◆約100台を生産しリアルワールドでの実証テストへ

iX5ハイドロジェンは約100台が生産され、リアルワールドでの実証テストを世界規模で行う。BMWグループは、iX5ハイドロジェンのパイロット車両を実世界で使用することが、貴重な知識を提供すると見込む。この公道での実証テストが、将来のiX5ハイドロジェンの量産化への道を開くと期待している。

4年間の開発期間を経て、iX5ハイドロジェンの開発プロジェクトは、次の重要な段階に入っている。およそ100台の車両を、さまざまなグループが、デモンストレーションやテストの目的で国際的に使用する予定だ。

BMWグループは、このアクティブな運転体験が、iX5ハイドロジェンの開発プロセスに関与していない人々に、iX5ハイドロジェンが実現できることを直接印象付ける最初の機会になると想定している。

◆BMWの直6ターボの出力に相当する374hpのパワー

BMW iX5 ハイドロジェンBMW iX5 ハイドロジェン

BMWグループの第5世代のEVパワートレイン「eDrive」が搭載される。電気モーターは最大出力374hpを引き出す。374hpのパワーは、BMWの直列6気筒ガソリンターボエンジンの出力に相当する。これにより、BMWブランドらしいドライビングダイナミクスを可能にしているという。モーターの上に配置されたバッテリーは、追い越しや加速時にブースト電力を供給する。

燃料電池システムは、水素と酸素の化学反応によって、最大170hpの電気エネルギーを生み出す。燃料電池の下にレイアウトされる電気コンバーターは、電圧レベルを電動パワートレイン、ブレーキエネルギー、燃料電池からのエネルギーによって供給されるバッテリーの両方の電圧レベルに適合させる。

iX5ハイドロジェンには、700バールの水素タンク2個が搭載されており、CFRP製のこのタンクには、最大6kgの水素を積むことができる。水素の充填にかかる時間は3~4分だ。

◆エアロホイールに天然ゴムとレーヨンを使用したタイヤの組み合わせ

BMW iX5 ハイドロジェンBMW iX5 ハイドロジェン

iX5ハイドロジェンのデザインには、X5をベースにしながら、持続可能なキャラクターに焦点を当てたアクセントを細部に取り入れる。外観には、「BMW iブルー」のアクセントが添えられた。アルミホイールも専用デザインとなり、燃料電池車であることを示している。キドニーグリルの内側の縁取り、22インチのエアロホイールのインサート、リアバンパーの外側部分のアタッチメントも、BMW iブルー仕上げだ。インストルメントパネルのエントリーシルとカバートリムには、「hydrogen fuel cell」の文字が配されている。

エアロホイールには、天然ゴムとレーヨンを使って持続可能な方法で製造されたタイヤを組み合わせる。その素材は、森林管理協議会(FSC)組織の基準に準拠して抽出された。BMWグループは、認定された天然ゴムとレーヨンのみで作られたピレリ製タイヤを市販車に採用した世界初の自動車メーカーになる、と自負する。

フロントの冷却エア開口部を覆うメッシュインサート、リアバンパー、ディフューザーも、専用デザインとした。キドニーグリル周囲の装飾、2つの外気取り入れ口、リアエンド下部トリムのパーツは、3Dプリントを使用して部品を製造するBMWグループのアディティブマニュファクチャリングキャンパスから供給される。アディティブマニュファクチャリングにより、部品の高速で柔軟性の高い生産が可能に。その一部は、従来の生産方法では不可能な幾何学的形状を備えているという。

《森脇稔》

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