【ZR-V vs ハリアー vs CX-5】SUV3台を徹底比較! 人気の理由が分かってきた

ZR-V vs ハリアー vs CX-5
ZR-V vs ハリアー vs CX-5全 39 枚

近年、人気が高まっているSUV。自動車メーカー各社も新型SUVを続々と発表している。今回は、そんなSUVの中で注目すべき車種をピックアップし、比較をしていく。ピックアップするのはホンダ『ZR-V』、トヨタ『ハリアー』、マツダ『CX-5』の3台だ。

◆比較する車種のプロフィール

ZR-V、ハリアー、CX-5は、それぞれ各メーカーを代表するミドル/LサイズのSUVだ。ハリアーは全長が少し長いが、4800mm以内に収まる。ZR-Vとハリアーはハイブリッド、CX-5はクリーンディーゼルターボの搭載に特徴がある。

◆外観デザイン&ボディサイズ比較

ホンダ ZR-V 全長4570mmホンダ ZR-V 全長4570mm
トヨタ ハリアー 全長4740mmトヨタ ハリアー 全長4740mmマツダ CX-5 全長4575mmマツダ CX-5 全長4575mm

ZR-Vは縦方向にスリットの入ったフロントマスクが個性的だ。ハリアーは外観を緻密に造り込んだ。テールランプは左右を繋げて端正な印象だが、リヤ側の方向指示機はリヤバンパーに装着され、ブレーキランプと距離が離れている。後方からの視認性は良好とはいえないが、質感は高い。

CX-5はほかの車種と同じく前輪駆動ながら、ボンネットを長く見せるデザインで、全般的にスポーティな印象が強い。

全長はZR-Vは4570mm、CX-5も4575mmで同等だが、ハリアーは4740mmと少し長い。全幅は3車ともに1840~1855mmの間に収まる。居住空間の広さと運転のしやすさを両立させている。

◆インテリア&居住性比較

ホンダ ZR-V インテリアホンダ ZR-V インテリア

ZR-Vの内装は、ハイブリッドのe:HEVに特徴がある。ATの操作はプッシュボタン式のスイッチで行うが、慣れないと少々使いにくい。その代わり水平基調のデザインによって広々感があり、細部までていねいに造り込んだ。

トヨタ ハリアー インテリアトヨタ ハリアー インテリア

ハリアーは質感の演出が巧みだ。合成皮革ながらも上質で、光沢のあるパーツの使い方も凝っている。デザインはオーソドックスだが、車内を美しく見せている。

マツダ CX-5 インテリアマツダ CX-5 インテリア

CX-5は、外観のデザインと同様に、内装もスポーティだ。ATレバーの収まるセンターコンソールは少し高めに位置して、乗員を囲むような雰囲気だ。後輪駆動車に似ている。

居住空間は各車とも十分に確保される。その上で比べると、身長170cmの大人4名が乗車した場合、後席に座る乗員の膝先空間は、ZR-Vが握りコブシ2つ半、ハリアーは握りコブシ2つ少々、CX-5は2つ分になる。

◆荷室などの使い勝手比較

ホンダ ZR-V ラゲッジスペース(全長890mm)ホンダ ZR-V ラゲッジスペース(全長890mm)トヨタ ハリアー ラゲッジスペース(全長985mm)トヨタ ハリアー ラゲッジスペース(全長985mm)マツダ CX-5 ラゲッジスペース(全長950mm)マツダ CX-5 ラゲッジスペース(全長950mm)

ミドルサイズのSUVとあって、荷室容量は3車とも十分に確保される。後席を使っている時の荷室長は、全長の最も長いハリアーが985mmだ。

2位はCX-5の950mm。前述の通り、後席の膝先空間は3車の中では最も狭いが、全長の割に荷室長に余裕を持たせた。3位はZR-Vの890mm。全長の割に、後席の足元空間に余裕を持たせたから、荷室長は短くなった。

◆運転のしやすさ比較

ホンダ ZR-V e:HEV Z AWDホンダ ZR-V e:HEV Z AWDトヨタ ハリアー ハイブリッドZトヨタ ハリアー ハイブリッドZマツダ CX-5 XD フィールドジャーニーマツダ CX-5 XD フィールドジャーニー

SUVとあって、3車ともにサイドウインドーの下端は高めだ。視界よりも外観の見栄えを重視しているが、CX-5は水平基調だから、側方や後方が見やすい。

全長は、前述の通りZR-VとCX-5は短く抑えている。最小回転半径は、ZR-VとCX-5は5.5mに収まる。ハリアーはボディが長く、最小回転半径は、17/18インチタイヤ装着車が5.5m、19インチのZは5.7mになる。ハリアーはサイズが大きく感じる。

◆走行性能&乗り心地比較

ホンダ ZR-V e:HEV エンジンホンダ ZR-V e:HEV エンジン

ZR-Vは1.5Lターボも搭載するが、主力のパワーユニットは2Lのe:HEVだ。エンジンが主に発電機を作動させ、モーターが駆動を受け持つ。電気自動車を思わせる滑らかな加速感と、優れた静粛性が特徴で、制御の仕方が緻密だ。

トヨタ ハリアー ハイブリッドZ エンジントヨタ ハリアー ハイブリッドZ エンジン

ハリアーは2Lのノーマルエンジンを用意するが、上級SUVとしては物足りない。最も推奨度の高いパワーユニットはハイブリッドで、適度にエンジンの鼓動も感じさせる。プラグインハイブリッドは動力性能がさらにパワフルだ。乗り心地も快適に仕上げた。

マツダ CX-5 XD エンジンマツダ CX-5 XD エンジン

CX-5はガソリンエンジンも用意するが、最も注目されるのは2.2Lのクリーンディーゼルターボだ。実用回転域で4.5Lのガソリンエンジンに匹敵する駆動力を発揮して、パワフルな印象が強い。なおかつWLTCモード燃費は、17.4km/L(2WD/6速AT)に達する。軽油価格の安さも考慮すると、燃料代はハイブリッド並みに安い。操舵に対する反応は適度に機敏で、スポーティな運転感覚を味わえる。

◆おすすめユーザー

ホンダ ZR-Vホンダ ZR-Vトヨタ ハリアートヨタ ハリアーマツダ CX-5マツダ CX-5

ZR-Vは後席の居住性も快適で、ファミリーユーザーに適する。ハリアーはボディがひとまわり大きく、内外装も上質だから、豪華指向のクルマを求めるユーザーにピッタリだ。かつてのクラウンが、今日のハリアーといっても良いだろう。

そしてCX-5は、クリーンディーゼルターボの高い駆動力を含めて、スポーティなクルマを好むユーザーに適する。

◆おすすめグレード

ZR-V:e:HEV・X・2WD(328万2400円)
ハリアー:ハイブリッドG・2WD(411万9000円)
CX-5:XDプロアクティブ・2WD(326万1500円)

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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