トヨタモビリティ東京の「新車ボディコーティング」、施工ニーズや人気メニューは?…事業部担当者に聞く

トヨタモビリティ東京が提案する「新車ボディコーティング」施工ニーズや人気メニューは?…事業部担当者に聞く
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コロナ禍や半導体不足の影響による新車の納期遅延は改善傾向となり、新車購入台数が伸びている。日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会は、2023年5月の国内新車販売台数(登録車と軽自動車の合計)が、前年同月比25.0%増の32万6730台で、9カ月連続のプラスになったと発表している。

このような動きがある中、新車購入時に「ボディコーティング」施工を希望するユーザーはどれくらいいるのだろうか。ボディコーティング剤は数多くあり、こわだりが強いユーザーはボディコーティング専門店で施工を依頼するケースもあると思うが、ディーラーで新車購入時にボディコーティングを勧められて施工を検討するのが一般的だろう。

そこで、自動車メーカー・トヨタ自動車株式会社の直営ディーラーとして、都内23区および多摩地区で計212店舗(TOYOTA店舗187拠点のうち中古車展示店25拠点、GR Garage店舗4拠点/レクサス店舗25拠点 ※2023年5月時点)を展開するトヨタモビリティ東京株式会社に、同社が提供するボディコーティングの種類や特徴、需要状況などについて話を聞くべく取材を依頼。同社のトヨタ企画部 新車企画室担当係長である、工藤七三江氏に話を聞くことができた。

約7割が新車コーティング施工を希望

「新車で購入されたお車に長く乗り続けられ、中古車になってもキレイな状態を保って頂けるように、新車時にボディコーティング施工をお勧めしています。施工は内製化しており、トヨタの集中工場にて新車点検の最終工程で、ボディコーティング施工を行っています」と工藤氏は話す。

新車購入時の標準的なディーラーオプションとして提案し、ユーザーの希望をヒアリング。「施工の必要性を感じないとおっしゃる方や、当社で取り扱っていない特定のコーティング剤を希望される方、趣味としてご自身でコーティング施工を行われたいといった理由で、施工を希望されない方もいらっしゃいます」と工藤氏は話すも、提案した約7割のユーザーが新車時にボディコーティング施工を希望しているという。提案の仕方としては、ボディコーティング施工で得られる効果をわかりやすく伝えるために2分程度の動画をタブレット端末でユーザーに見せ、希望のボディコーティングをユーザー自身に選んでもらう流れで提案していると、工藤氏は教えてくれた。

厳選されたボディコーティング剤

トヨタモビリティ東京は、2019年4月1日に、トヨタ自動車直営ディーラー4社(東京トヨタ自動車株式会社、東京トヨペット株式会社、トヨタ東京カローラ株式会社、ネッツトヨタ東京株式会社)と、その持ち株会社のトヨタ東京販売ホールディングス株式会社を融合し、新会社として設立。それ以前は8種類のボディコーティングを提供していたが、5社融合にあたり見直しを行ったという。

「最も品質が良いボディコーティング剤を残そうということで、お客様のニーズが高く、光沢効果が優れているという理由から、QMIブランド(株式会社ソヴリン)とCPCブランド(中央自動車工業株式会社)を採用しました」と工藤氏は選定基準を述べた。現在トヨタモビリティ東京では、ボディコーティングメニューとして、一般車向けは『QMIドライグラス』と『CPCプレミアムコーティングダブルGN』を、商用車向けには『CPCガラスコーティングJOY』を提案している。

一番人気は『QMIドライグラス』

最も人気が高いボディコーティングは『QMIドライグラス(新車購入時施工:税込55,000~121,000円)』。塗布することで[走水・滑落]促進基を配合するガラス質被膜を形成して輝きと艶、撥水性を維持できるという。工藤氏は「走行中や停車中に雨水が流れ落ちるとき、擦らなくても水滴が汚れを巻き込んで落とす点が最大の特徴です。コンパクトカーをはじめ、シエンタやヴォクシー、アルファードを購入されたお客様の施工が多い傾向です」と教えてくれた。

『CPCプレミアムコーティングダブルGN(新車購入時施工:税込132,000~176,000円)』は二層のガラス質被膜を形成し、ベースコート層がボディと強固に密着。トップコート層で高級感のある輝きと光沢、高い防汚効果を実現する点が特徴で、ボディカラーが黒や濃色系で艶出し効果を希望するユーザーから選ばれているという。車種としては、クラウンやアルファード、ランドクルーザーを購入したユーザーが多い傾向とのこと。

新車時施工で5年間保証

『QMIドライグラス』と『CPCプレミアムコーティングダブルGN』はメンテナンスキットが付属し、新車時施工で5年間の保証付き。ただし条件があり、車両を購入したディーラーに年1回入庫して目視、問診による点検を必ず受けなければならない。点検時にムラや劣化などがあった場合、保証範囲内と判断されれば無償で再施工してもらえる。1年毎の定期点検を受けなかった場合は保証が失効となるので要注意だ。なお、撥水や流水効果は保証内容に含まれない。

商用車向けの『CPCガラスコーティングJOY(新車購入時施工:税込27,500~33,000円)』は、保証がなく低価格で提供。ガラス質被膜を形成し、輝きや光沢、撥水効果は約3年間となっているが、車両の保管環境や使用状況によって効果持続期間が異なる場合があることが注意書きとして記述されている。

未塗装樹脂パーツ用のコーティングも人気

ボディ外装に未塗装樹脂パーツを多く採用しているトヨタ車が増えているため、未塗装樹脂パーツを黒く復活させ、白化や汚れから保護するコーティング『C.A.W 樹脂コートEX(中央自動車工業株式会社)』を2023年から提供。工藤氏は「一例となりますが、未塗装樹脂パーツが多く採用されている現行型クラウンを購入されるお客様が、ボディコーティングと一緒に施工されるケースが増えています。その一方で、現行型クラウンの未塗装樹脂パーツの部分に、トヨタ車専用のカスタマイズパーツブランド(TRD、MODELLISTA)のエアロパーツ装着を希望されるお客様もいらっしゃり、この2パターンがあります」と言い、未塗装樹脂パーツのコーティング施工を希望するユーザーが増え続けていると話していた。

トヨタモビリティ東京では、オーナーサポートメニューのひとつとして「コーティング」カテゴリを設ける中で、ボディコーティングだけでなく、雨天走行時の視界確保に効果的で撥水性が高い「ガラスコーティング」や、車内のニオイや菌の抑制、シート汚れ・経年劣化防止向けとして「車内空間 抗菌/防臭」も用意し、ユーザーに提案している。

一番大切なことはユーザーに喜んでもらえるメニュー提供

「新車時にボディコーティングを施工されたお客様から、洗車がしやすいというお声を頂いたり、また、ボディコーティングの5年保証内であれば、ボディの鈑金塗装が必要になってしまわれたお客様からは、5年保証があったので無償で当該箇所のボディコーティングができてよかったとのお声を頂きました。お客様が必要とされ喜んで頂けるものをご提案することが一番大切だと思っています。ご理解頂きやすく、お客様が目で見て効果を感じて頂けるようなご提案を心がけています」と工藤氏は話し、より長く快適に愛車の美観を維持できるサービスの提供を今後も行っていくと考えを述べた。トヨタモビリティ東京では、新車時だけでなく、トヨタ認定中古車購入時や、既販車のボディコーティン施工(下地処理含む)も受け付けている。

1台のクルマに長く乗り続ける長期保有が進むいま、新車ボディーコーティング施工は、洗車の手軽さや美観維持だけでなく、ユーザーが車両を手放す時に査定額を下げないための手段として有効な面もあるため、今後も一定のニーズが見込まれるカーケア・サービスと言えるのではないだろうか。

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《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

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