【トヨタ アルファード/ヴェルファイア 新型】シートは? 快適装備は? ショーファーカーとしてのインテリアを考察

トヨタ アルファード エグゼクティブラウンジ ハイブリッド(プレシャスレオブロンズ)
トヨタ アルファード エグゼクティブラウンジ ハイブリッド(プレシャスレオブロンズ)全 40 枚

Lサイズミニバンのなかで圧倒的な人気を誇るのがトヨタの『アルファード』&『ヴェルファイア』。8年半ぶりのフルモデルチェンジで大革新をとげた新型のインテリアについて解説していく。

プラットフォームの刷新を受けたアルファード&ヴェルファイアだが、ホイールベースは先代同様の3000mmを踏襲。ボディサイズについても、立体駐車場への入庫率をアップできるよう全長は5mに収まる4995mm、全幅は1850mmと先代とほぼ同一のサイズとしている。

◆ホイールベースはそのまま、シートピッチは拡大

トヨタ アルファード エグゼクティブラウンジ ハイブリッド(プレシャスレオブロンズ)トヨタ アルファード エグゼクティブラウンジ ハイブリッド(プレシャスレオブロンズ)

室内長×室内幅×室内高は先代が3210×1590×1400(mm)で、新型が3005×1660×1360(mm)となる。こう書くと狭くなっているように感じるかもしれないが、それは室内寸法の測り方によるものの影響が大きい。シートピッチを先代と比べたデータでは1列目と2列目が+5mm、1列目と3列目が+10mm(つまり、それぞれ5mmずつ)拡大している。ホイールベースが変更されていないので、室内の大幅な容量アップはないと考えていいだろう。

今回のアルファード&ヴェルファイアは単なるLクラスミニバンとして作られたのではなく、新しいショーファードリブンとして開発されている。従来、ショーファードリブンといえば、3ボックスの大型セダンがその役割を担ってきたが、今はその役割をミニバンが担う時代に変わってきている。そうした波は日本や中国、アジアで発生し徐々に世界へと広がっているのである。

◆ショーファードリブンの要素を盛り込んだグレードが先行

トヨタ ヴェルファイア Zプレミア 2.4Lターボ(ブラック)トヨタ ヴェルファイア Zプレミア 2.4Lターボ(ブラック)

新型はショーファードリブンとしての要素をふんだんに盛り込んだグレードが先行した。そのためシート配列は前から2名、2名、3名の7名定員で、セカンドシートをベンチタイプとした8名定員モデルはおって追加になる予定だ。まずはショーファードリブンとしてもっとも大切なセカンドシートについて説明するが、その前にアルファード&ヴェルファイアのラインアップと価格を掲載する。そのほうが装備関連差を理解しやすいだろう。

●アルファード・ラインアップ
2.5リットルガソリン自然吸気エンジン Z 540万円(559万8000円)
2.5リットルハイブリッド Z 620万円(642万円)
2.5リットルハイブリッド エグゼクティブラウンジ 850万円(872万円)

●ヴェルファイア・ラインアップ
2.5リットルガソリンターボエンジン Zプレミアム 655万円(674万8000円)
2.5リットルハイブリッド Zプレミアム 690万円(712万円)
2.5リットルハイブリッド FF エグゼクティブラウンジ 870万円(892万円)

ともに最上級はエグゼクティブラウンジというグレード。今回のモデルに限れば標準グレードがアルファードのZで、その上にヴェルファイアのZプレミアムが位置すると考えていいだろう。シート表皮はエグゼクティブラウンジとZプレミアムはナッパレザー(一部合成皮革)、Zは合成皮革という設定。つまり、ヴェルファイアは全グレードでナッパレザーのシートとなる。

◆グレードで内容の異なるセカンドシート

セカンドシートの設定はエグゼクティブラウンジがエグゼクティブラウンジシート、ZとZプレミアムがエグゼクティブパワーシートとなる。エグゼクティブパワーシートの特徴は以下のとおり。
・530mmの手動ロングスライド
・パワーリクライニング
・パワーオットマン
・上下調整式大型ヘッドレスト
・大型アームレスト(カップホルダー各席1個+ポケット付き)
・快適温熱シート+ベンチレーションシート
・折りたたみサイドテーブル

これに対しエグゼクティブラウンジシートは、480mmの電動スライド、リフレッシュシート(マッサージ機能)、パワーリクライニング&パワーオットマン&チルトアジャスターのメモリー機能、パワーオットマンへの伸縮機能追加、アームレストの仕様変更(カップホルダー各席1個+小物入れ2個)、快適温熱シートのオットマン&アームレストヒーターの追加、折りたたみテーブルをバニティミラー付き回転格納テーブルに変更、リヤマルチオペレーションパネル(脱着式)の採用、ファイルフォルダー(物落ち防止スペーサー付き)が採用される。

◆セカンドシートのリクライニングを妨げないサードシート

サードシートは5対5分割の左右跳ね上げ式で、跳ね上げポイントを2カ所に設定。最後部で跳ね上げた際にはセカンドシートのリクライニングをジャマすることなく、ゆったりとした姿勢が可能となる。

サードシート使用時のラゲッジルーム容量は、サードシートがもっとも後ろの状態でシートバック上端までの容量が110リットル。サードシートを最前部まで前進させると575リットルとなる。サードシートを収納した場合、エグゼクティブラウンジシートで864リットル、エグゼクティブパワーシートは860リットルの容量(ともにセカンドシートの位置はニュートラル)を確保している。

ラゲッジ部分最後部にはデッキアンダースペース(床下収納)が用意される。デッキボードを置いた状態ではフラットなラゲッジルームで、この部分の荷室高は1190mm、デッキボードを外せば1330mmが確保され背が高く、横にできない植木などの荷物も容易に搭載できる。

◆上位グレードは静粛性をさらに向上

エグゼクティブラウンジはフロントドアガラス、クォーターウインドウガラス、スライドドアガラスに高遮音性ガラスを採用。アクティブノイズコントロールも装備され、静粛性の向上がはかられている。

ヴェルファイア全車とアルファードのエグゼクティブラウンジには左右独立で電動シェードが開閉できる縦長のガラスムーンルーフ(ガラスの開閉はしない)を標準装備。アルファードZにはオプションで装着可能。スライドドアとリヤクォーターウインドウには上側からスライドさせて開閉するタイプのサンシェードを用意。こちらはヴェルファイア全車とアルファードのエグゼクティブラウンジがパワータイプ、アルファードZがマニュアルとなり、アルファードZもオプションでパワータイプとできる。

オーバーヘッドコンソールには後席用のLEDドームランプ、LEDカラーイルミネーション、天井エアコン吹き出し口、リヤエアコンコントロールパネル、天井収納ボックス、各種装備を集中コントロールするおもてなしスイッチを装備。さらにエグゼクティブラウンジには読書灯、後席ディスプレイ収納を追加装備される。

運転席まわりを見ると、メーターは12.3インチのTET液晶にマルチインフォメーションディスプレイの組み合わせが全車標準。ステアリングも革巻きが標準となる。カラーヘッドアップディスプレイはヴェルファイアは全車標準だが、アルファードはエグゼクティブラウンジにのみ標準でZはオプションとなる。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る