ルマンの名車を復刻生産へ、ベントレーが「カーゼロ」をグッドウッド2023に展示予定

ベントレー・スピードシックス の復刻生産モデル(左)とオリジナルモデル
ベントレー・スピードシックス の復刻生産モデル(左)とオリジナルモデル全 10 枚

ベントレー(Bentley)は7月5日、英国で7月13日に開幕する「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023」において、『スピード・シックス・カーゼロ』を初公開すると発表した。


スピード・シックス・カーゼロは、ベントレーの名車を復刻生産する「コンティニュエーションシリーズ」の第2弾として、12台を手作業で生産する『スピード・シックス・コンティニュエーション・シリーズ』の試験開発車両だ。「カーゼロ」の名称は、市販されない開発プロトタイプ車両であることを意味している。

◆最大出力200hpの 6.6リットル直6エンジン搭載

オリジナルのスピードシックスは1929年と1930年に、ルマン24時間レースを制した。コンティニュエーションシリーズでは、オリジナルモデルを忠実に再現することを目指す。6.6リットルの直列6気筒ガソリンエンジンは、最大出力200hpを引き出し、最高速201km/hの性能を発揮する。

スピードシックスは、レースで最も活躍したベントレーだ。1929年と1930年のルマン24時間レースでは、ウルフ・バーナート、ヘンリー・ティム・バーキン卿、グレン・キッドソンがドライバーを務めたスピードシックスが総合優勝を果たした。

1928年に登場したスピードシックスには、SUツインキャブレターと高性能カムシャフトを採用した。エンジンは圧縮比を高めることによって、最大出力が180hpに向上。シャシーは3505mm、3569mm、3874mmの3種類のホイールベースから選択できた。1928年から1930年にかけて、182台のスピードシックスが生産された。

レーシングカーとして製作されたスピードシックスはホイールベースを3353mm、圧縮比は6.1:1とし、最大出力は200hpを引き出した。ルマンで1929年と1930年の2年連続優勝を果たし、ベントレーの歴史にその名を刻んだ。とくに1929年のルマンではベントレーが上位を独占し、完全勝利を収めている。

◆1920年代のレースに参戦したスピードシックスを忠実に再現

ベントレー・スピードシックス の復刻生産モデル(左)とオリジナルモデルベントレー・スピードシックス の復刻生産モデル(左)とオリジナルモデル

1929年と1930年のレースに参戦したスピードシックスを忠実に再現し、12台の復刻モデルを製作するため、マリナーのチームはまず、オリジナルモデルの設計図と詳細な分析を基に、3D CADモデルを作成した。参考にしたのは、2台のオリジナルモデルだ。

1台は、1930年のルマンに参戦した3台のスピードシックスのうち、「オールド・ナンバー・スリー」と呼ばれる車両。ルマンでの勝利には至らなかったものの、過酷なレースを走り抜いたこの車両は、その後大切に保管されてきた。オールド・ナンバー・スリーは、現在も公道走行可能で、現オーナーはこの車両でレースにも参加している。復刻版の製作にあたり、設計の詳細などの貴重なデータを、この車両から得たという。

もう1台は、ベントレーのヘリテージコレクションに追加されたスピードシックス(「GU409」)だ。レースに参戦したスピードシックスと同じく、4人乗りのヴァンデンプラス製ボディを架装した1929年製のロードカーで、当時の仕様が忠実にレストアされている。GU409からは復刻版のパフォーマンスとハンドリングの基準となるデータを収集し、それに見合う以上のパワーとトルクカーブを持つ12基のエンジン製作などに活用される。

◆1台150万ポンドですでに12台すべてが予約済み

およそ90年ぶりに新たに製作されるスピードシックスの最初の車両のカーゼロは、今回のプロジェクトの試験開発車両として使用される。試験開発車両のカーゼロは、『ブロワー』のカーゼロとともにそれぞれのコンティニュエーションシリーズの最初の1台目として、ベントレーで保管される予定だ。

なお、スピード・シックス・コンティニュエーション・シリーズの英国ベース価格は、150万ポンド(2億7500万円)。すでに12台すべてが予約済みという。

《森脇稔》

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