中国インテリジェント・コネクテッド・ビークル市場を推進する、積極的な法整備

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今年4月に開催された上海モーターショーは、中国自動車メーカーの技術力を明確に示すものであった。将来を見据えた規制と画期的な技術が推進力となり、中国はモビリティ空間を変革する4つの重要なメガトレンド、コネクテッド、自律走行、シェアード、エレクトリック(CASE)の最前線に立ちつつある。

中国のインテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)市場は、政策支援、補助金、新たなビジネスモデル、人工知能や自律走行などの実現技術の進歩によって急成長が見込まれている。セルラーVehicle-to-Everything(C-V2X)や5Gおよび5G+のようなコネクティビティ技術は、市場開発にさらなる弾みをつけると同時に、自動車メーカーが拡張現実(AR)や仮想現実(VR)からビデオ通話や高精細(HD)ビデオモニタリングに至るまで、費用対効果が高く、顧客に喜ばれる車載インフォテインメント機能などの提供を実現する。

◆推進力となる先進的な規制

数々の積極的な規制が、2021年に約45兆ドルに達したと推定される中国のICV市場にとって好都合な環境を作り出しており、その中には、約30都市における自動運転試験や試験運行に対する政府の承認、重慶市や武漢市などでの安全運転手なしの商用ロボットタクシー利用、国内のICV標準システムの基礎を築く「自動車運転自動化分類法」、自律走行に関連する義務化などが含まれる。これら漸進的な規制は、ICV市場に対する中国政府の長期目標に沿ったものであり、部分的・条件的自動化機能を備えたICVが新車販売台数の70%以上、高度自動化ICVが新車販売台数の50%以上を占める。また、2030年までにほぼすべての新車にC-V2X機能を搭載するという計画が含まれている。

また、ICVの推進には必ずデータのプライバシーと保護の問題が伴うため、中国政府はデータの収集と管理に関する複数の政策草案と国家ガイドラインを発表している。 個人データを保護するための保障措置を確立するだけでなく、新しいデータプライバシー規制は、国家安全保障にとって重要とみなされる地理的地域におけるデータ収集を企業に制限する。2021年、中国サイバースペース管理局(CAC)は「自動車データセキュリティ管理規定」の草案を発表し、パブリックコメントを求めた。CACはまた、自動車メーカー、ICVプロバイダー、自律走行ソリューション・プロバイダーなど、市場関係者の活動を管理することになる予定だ。

◆競争の激化

中国のコネクテッド・モビリティおよび自律走行モビリティ市場には、Pony.AI、百度(バイドゥ)、アリババ、Haomo.AI、NavInfo、Desay SV、Deeproute.AI、WeRide. Neusoft、Hirainなど、技術系企業やスタートアップ企業から、ティア1、ティア2の自動車サプライヤーまでが幅広く参加している。


《フロスト・アンド・サリバン・ジャパン株式会社》

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