マセラティの新型スーパーカーがベース、サーキット専用車は730馬力…62台は発表前に完売

マセラティの「プロジェクト24」(開発コードネーム)
マセラティの「プロジェクト24」(開発コードネーム)全 10 枚

マセラティ(Maserati)は、サーキット専用車の『MCXtrema』を、8月18日に米国で開催される「ザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリング」で初公開する。


◆3.0リットルV6ツインターボを強化して搭載

同車は、マセラティブランドで最もパワフルなサーキット専用車。これまで、「プロジェクト24」として開発が進められてきた。MCXtremaは、世界限定62台を生産する計画で、すでに完売している。

MCXtremaは、マセラティの新型スーパーカーの『MC20』の仕様を受け継ぎながら、さらに高度な技術装備を充実させたエクストリームなサーキット専用モデルとして開発を進めている。

MC20用の3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジン「ネットゥーノ」(Nettuno、ネプチューン)を、強化して搭載する。「マセラティ・ツイン・コンバッション(MTC)」ツインスパーク、TJIデュアルコンバッションコントロール、ドライサンプシステム、新設計のターボチャージャーを採用。最大出力は630hpから730hpへ、100hp引き上げられた。トランスミッションは、パドルシフト付きの6速シーケンシャルを組み合わせる。

カーボンファイバーなどの軽量素材を使用することで、乾燥重量は1250kg以下に抑えられる。パワーウェイトレシオは、約1.71kg/hpを達成している。

マセラティの「プロジェクト24」(開発コードネーム)マセラティの「プロジェクト24」(開発コードネーム)

◆レーシングカーに必要なレギュレーションなどの制約を排除

マセラティのデザイン部門の「チェントロ・スティーレ・マセラティ」がデザインを手がけた。専用のボディは、レーシングカーに求められるレギュレーションなどの制約を排除し、限界に挑むことを目指してデザインされた。その結果、これまでにない美しさとスポーティな性格を融合し、コレクターズクラシックになるに至った、と自負する。全幅は2020mm、全高は1220mmとした。軽量カーボンファイバー製センターモノコックをベースにしている。

カーボンファイバー製のボディに、天然繊維を使用したコンポーネントを組み合わせた。フロントスポイラーやリアウィングは、サーキットの特性に合わせて、調整することができ、高いダウンフォースを追求する。LEDフロントライトをはじめ、FIA(国際自動車連盟)公認のレインライト、レキサン製のフロント&サイドウィンドウを採用している。安全面は、FIAのレースセーフティ要件を満たしている。FIAホモロゲーションの容量120リットルの「FT3」燃料タンク、FIA仕様の消火器、FIA公認ロールケージを組み込んだ。

ブレーキは、レーシングキャリパーにブレンボ製のカーボンセラミック「CCMR」ベンチレーテッドレーシングブレーキを組み合わせた。このブレーキには、特別なクーリングシステムを装着する。レーシングクラッチとメカニカルリミテッドスリップセルフロッキングデフも装備している。

ホイールは、18インチ鍛造アルミで、セントラルロックシステムが付く。タイヤはレース用にチューニングされたスリックとした。アジャスタブルレーシングABSとトラクションコントロールを標準装備する。サスペンションは、セミバーチャルのダブルウィッシュボーン(ステアリングアクセル)。レーシングダンパーとフロント&リアのアンチトーションバーは、調整式だ。

マセラティの「プロジェクト24」(開発コードネーム)マセラティの「プロジェクト24」(開発コードネーム)

◆ステアリングホイールはディスプレイ付き

2シーターのインテリアには、レーシングシートを標準装備した。助手席側はオプションになる。レーシングシートには、6点式レーシングシートベルトが付く。ドライバーの体格に合わせて、レーシングペダルとステアリングコラムは調整できる。

カーボンファイバー製マルチファンクションステアリングホイールを装備する。このステアリングホイールには、ディスプレイを組み込んだ。データ収集システム、エアコンを標準装備した。

オプションで、リアカメラディスプレイ、テレメトリーレコーディングシステム、動画撮影用カメラ、ドライビング・パフォーマンス・オプティマイゼーション・ディスプレイ、タイヤ空気圧監視システムが選択できる。

《森脇稔》

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