サブウーファー「ボックス」を作るなら「箱載せ型」?「埋め込み型」?…キーワードから読み解くカーオーディオ

「埋め込み型」のサブウーファーボックスを搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:ウェイブトゥポート<鳥取県>)。
「埋め込み型」のサブウーファーボックスを搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:ウェイブトゥポート<鳥取県>)。全 7 枚

当シリーズでは、カーオーディオに関連した専門用語の意味を毎回1つ1つ解説しながら、カーオーディオの面白さや奥深さを紐解こうと試みている。現在は「サブウーファー」に関連したワードを取り上げている、今回は、「ボックス」の仕様違いについて説明していく。

◆どんな「ボックス」を用意するかで鳴り方が変わる。そこが楽しみにどころに!

さて、「サブウーファー」にはタイプ違いがいくつかあるが、上級者の多くは「ユニットサブウーファー」を使っている。これは要は、「サブウーファーユニット」が裸の状態で売られているものだ。

で、このタイプの「サブウーファー」を使う場合には「ボックス」を自前で用意することになりそこのところがハードルともなるのだが、逆にそこが楽しみどころにもなる。どんな「ボックス」を用意するかで、音が変わってくるからだ。つまり、どんな低音を鳴らすかをコントロールできる幅が広い。上級者はそこのところを重視して、敢えて「ユニットサブウーファー」を選択している。

なお、「ボックス」にはタイプ違いがある。ちなみに構造的な違いについては以前の記事にて説明しとおりだが、実は「仕様違い」も存在している。今回はそれについて解説していく。

「仕様違い」は、大きくは2タイプある。1つが「箱載せ型」でもう1つが「埋め込み型」だ。

「箱載せ型」のサブウーファーボックスを搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:AVカンサイ<大阪府>)。「箱載せ型」のサブウーファーボックスを搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:AVカンサイ<大阪府>)。

◆「箱載せ型」は導入のハードルが低く、設計の自由度も高い!

それぞれがどのようなものなのかを説明していこう。まずは「箱載せ型」から。

これはつまり、トランクにポンと置くようにして設置するタイプの「ボックス」のことを指す。そしてこれには利点が主には2つある。1つは「積み下ろしが容易なこと」で、もう1つは「製作費が比較的に少なくて済むこと」だ。

ところで「サブウーファーボックス」を導入するとなるとトランクの積載性が落ちると思われがちだが、「箱載せタイプ」の場合はたくさんの荷物を載せたいときには「ボックス」を下ろせる。もちろんそれが可能なように工夫(配線を脱着式にすることや固定をワンタッチ式にすること等)を施しておく必要があるが、そうしておけば割と気軽に積み下ろしできる。なのでここ一番で邪魔にならない。

そして構造的に複雑にはなりにくいので、製作においても手間がかかりにくい。結果、導入予算を比較的にコンパクト化させられる。

さらにいうと、設計の自由度も高い。形や大きさに特に制約がかからないので、欲しいサウンドに合わせて、さらには積載の都合に合わせて形や大きさを決められる。例えば高さを抑えて平べったい箱にしても良いし、占有面積を少なくできるように高さのあるタテ長の「ボックス」にしても良い。

「ユニットサブウーファー」の一例(フォーカル・P 25 FE)。「ユニットサブウーファー」の一例(フォーカル・P 25 FE)。

◆トランクの積載性を犠牲にしないスマートな設置を望むなら、「埋め込み型」!

一方「埋め込み型」は、トランクの積載性をほぼ犠牲にすることなく「サブウーファーボックス」を導入可能だ。そこのところが最大のメリットだ。

しかしデメリットもある。それは主には2つある。1つは「設計上の自由度が低くなること」で、もう1つは「導入コストが上がること」だ。

というのも、「埋め込み型」はスペアタイヤスペース等を活用して製作することとなるのだが、活用できるスペースには限りがあるのでその範囲の中で仕上げなくてはならず、場合によっては「ボックス」の容量をベストな値よりも小さめに作らざるを得ないこともある。ちなみに「埋め込み型」では容量を最大限稼げるように底面をFRPにてフロア形状に追従させて作られることもあるが、そうすることで手間も増えコストも上がりがちとなる。また、フタの製作に工夫が凝らされることもあり、見た目を整えるための装飾を施せばさらにコストが上がっていく。

しかしトランクの積載性を食われずに済み、「ボックス」を積み下ろしする手間もかからない。クルマとしての使い勝手を落としたくないと考える場合には、「埋め込み型」はアドバンテージを発揮する。

今回は以上だ。次回以降も難解なワードの解説を続行する。乞うご期待。

《太田祥三》

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