[システムの“最上流”に何を置く?]動画系アプリを満喫したいなら「車載用Android端末」が役に立つ!

「車載用Android端末」の使用時の表示例(VISIT)。
「車載用Android端末」の使用時の表示例(VISIT)。全 3 枚

当特集では、「カーオーディオシステムの最上流に何を置くか」、つまりは「AVコンテンツを何で再生するか」について考察している。今回は注目度が高まりつつある「車載用Android端末」にフォーカスする。これにて何ができるのかを、詳細にリポートする。

◆「車載用Android端末」は、「CarPlay対応機」で活躍!

「車載用Android端末」の新作が、ここにきてさまざまなメーカーからリリースされている。さて、これは何なのかというと……。

これはつまりは、「Apple CarPlayとandroidautoに対応したメインユニット(以下、CarPlay対応機)にて、動画系アプリを楽しめるようにするためのもの」だ。

もう少し詳しく解説しようと思うのだが、その前にApple CarPlayとandroidautoについて簡単に説明しておこう。昨今、純正、市販を問わずこれらに対応したメインユニットが増えているが、これらは車載機にてスマホアプリを便利に使えるようにするための機能だ。「CarPlay対応機」では、スマホを接続するとスマホアプリの表示を車載機の画面に映し出せて、かつ音声はカースピーカーで聴けるようになる。そしてアプリの操作も車載機のモニター上にて行える。

ちなみにBluetoothでスマホを接続してミュージックアプリで音楽を聴く場合にも、曲名等を車載機のモニターに映し出せて曲送り等の主要な操作を画面上にて行えるようになるが、操作できる項目はある程度限られる。しかし「CarPlay対応機」では、アプリのほぼすべての機能の操作を車載機の画面上で行える。まるでスマホアプリが車載機器の中に格納されているかのような使い心地を味わえる。

「車載用Android端末」の一例(VISIT・ELA-H2)。「車載用Android端末」の一例(VISIT・ELA-H2)。

◆「車載用Android端末」は、「CarPlay対応機」の弱点を克服可能!?

しかし「CarPlay対応機」には1点、弱点がある。それは、「動画系アプリには対応していないこと」だ。「CarPlay対応機」にはいわば、動画系アプリを使えなくする“リミッター”が搭載されているからだ。

「車載用Android端末」は、その弱点をカバーできるものとして登場した。Android端末なので、さまざまなアプリをこの中に格納できる。そしてそれを「CarPlay対応機」のUSB端子に接続すると、動画系アプリを含む多くのアプリを「CarPlay対応機」のモニターに映し出せるようになる(音声もカースピーカーにて聴ける)。つまりこれら「車載用Android端末」は、「CarPlay対応機」に搭載されている動画系アプリを使えなくする“リミッター”を解除できるのだ。

なお「車載用Android端末」で動画系アプリを楽しむ場合、「テレビキャンセラー」は不要だ。「CarPlay対応機」はただ対応しているアプリを画面に映し出しているという認識しかなく、それが動画系アプリだとは思っていない。なので「テレビキャンセラー」は必要ないのだ。

かくして「CarPlay対応機」で動画系アプリを楽しもうと思うときには、スマホのミラーリングよりも「車載用Android端末」を使った方が操作性が高い。ミラーリングではアプリの操作はスマホ側でしか行えないが、「車載用Android端末」の場合は、車載機器側でも操作が可能となるからだ。

「車載用Android端末」の一例(KEIYO・APP CASll)。「車載用Android端末」の一例(KEIYO・APP CASll)。

◆メインユニットに「HDMI端子」が装備されていれば「ミラーリング」の方が便利!?

ただし、「CarPlay対応機」でかつ「HDMI端子」も備えるメインユニットを使っている場合、ミラーリングの方が便利だと感じる局面もある。「車載用Android端末」はクルマを止めたとき電源が落ちる。しかしスマホの電源はクルマを止めても落ちないので、「ミラーリング」の場合はクルマを再スタートさせたときにすぐに続きが観られる。「車載用Android端末」では、起動を待つこととなるのですぐには続きを観られない。

また、操作に関しても動画系アプリの操作は基本的に同乗者が行うので、車載機のモニター上で操作できなくてもあまり問題にはならない。しかも視聴しているコンテンツが映画の場合には、1作品の再生時間が長いので操作が必要となる場面は頻繁には訪れない。

なので、愛車のメインユニットが「CarPlay対応機」でかつ「HDMI端子」も備わっていて、しかも「テレビキャンセラー」を導入済みであるのなら、「車載用Android端末」を購入するよりもスマホをミラーリングさせるという選択をすれば良いだろう。その方がコストもかかりにくい。

しかしながら、トヨタ車純正ディスプレイオーディオ搭載車では話が変わる。これらは「HDMI端子」はおろか外部映像入力端子も未装備なので、「車載用Android端末」が便利だ。ゆえに特にトヨタ車純正ディスプレイオーディオ搭載車のオーナーの間では、「車載用Android端末」が使われることが増えている。

今回はここまでとさせていただく。次回は「車載用Android端末」のトレンド分析と選び方のポイントを解説する。お楽しみに。

《太田祥三》

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