愛車のオーディオシステムのビルドアップをDIYにて行いたいと思っているドライバー諸氏に向けて、製品の取り付け作業のコツを紹介している当コーナー。現在は「サブウーファーボックス」製作の“勘どころ”を解説している。
ところでこれまで、「サブウーファーボックス」には高い“強度”が求められると説明してきた。“強度”が低いとボックス自体が共振してしまい異音を発する。そうなるとむしろサウンドを濁しかねない。なので使用する板はある程度厚みがあった方が良く、組み上げる際には内部に補強材を入れることもコツとなる。
そして「サブウーファーボックス」には実は、もう1つ求められる重要な要素がある。それは、“気密性”だ。ボックスはそもそも、スピーカーユニットの裏側から放たれる音エネルギーを閉じ込めるためのものだ。しかしもしも“気密性”が低いと、その役割をしっかり果たせない。
“気密性”が低いと、スピーカーボックスの裏側から放たれる音が外に漏れる。となると裏側の音と表側の音が干渉し、「キャンセリング」と呼ばれるお互いを打ち消し合う現象が引き起こされる。また、ボックス内の空気はスピーカーの振動板の動きを支えるサスペンションの働きをするのだが、その効果も減衰し、狙った音を出しにくくなる。
ところで「サブウーファーボックス」を作る場合、サブウーファーユニットにケーブルを繋げる必要があり、なのでボックスのどこかしらには必ずケーブルを通す穴を開けることとなる。そしてその穴の加工の仕方を間違うと、“気密性”が落ちかねない。
さて、ケーブルを通す穴の“気密性”を保つためにはどうすればいいのかというと……。
ポイントは2つある。まず1つ目は、「使用するケーブルに対してジャストなサイズの穴を開けること」だ。ちなみにプロは電動ドリルの刃をさまざま用意してあり、使用するケーブルの太さを鑑みてそれとほぼ同じサイズの刃を使って穴を開ける。
なのでDIYで「サブウーファーボックス」を作る場合でも、できるならば使用したいケーブルの太さに合ったドリルの刃を用意したい。それが早道だ。または少し細い刃で穴を開け、あとからヤスリ等で穴を少しずつ広げていっても良い。逆に、太すぎる刃で穴を開けるのは御法度だ。
そしてケーブルを通したあとには、その穴の周辺に「コーキング材」とか「シーリング材」と呼ばれるすき間を埋めるためのアイテムを流し込もう。そうすればケーブルを通す穴の部分の“気密性”をさらに高められる。
今回は以上だ。次回はボックスそのものの“気密性”を上げるためのポイントを紹介する。お楽しみに。