日野自動車は10月27日、カーボンニュートラルに向けた取り組みを公表した。それによると内燃機関の改善と並行して、レンジエクステンダーBEVと名付けたプラットフォームを使って様々な電動商用車を開発し、2030年頃の市場投入を目指すとしている。
日野の事業・商品統括を担当する豊島浩二CPOは同日のオンライン会見で「地域、用途、ご使用頂けるエネルギーに応じたお客様ニーズに対し、我々が持つ内燃機関の技術、電動化技術、FC(燃料電池)技術を組みあわせ、カーボンニュートラルにつながる多様なソリューションを提供することを目指す」と述べた。
まず内燃機関については「エンジン本体を統一し、噴射系、点火系などの適用部品を変更していく内燃機関のプラットフォーム構想をもとに液体カーボンニュートラル燃料、気体カーボンニュートラル燃料、水素燃料に適合していく技術開発を進めていく」ことで燃費向上、CO2排出削減に取り組む。
一方、次世代の電動車は「レンジエクステンダーBEVプラットフォーム構想のもと、すべての次世代電動車を実現していきたいと考えている。レンジエクステンダーBEVプラットフォームは、モーター駆動を前提としたBEVに様々なエネルギーを電気に変え、電池に充電するレンジエクステンダー機構を備えたプラットフォームになる」と述べた。
具体的には「レンジエクステンダー機構が無いものをBEV、FCにしたものがFCEV(燃料電池車)、内燃機関に発電機をプラスしたものが、いわゆるPHEV(プラグインハイブリッド)になる。このようなモジュール化を推し進め、一方で多様なエネルギーに柔軟に対応するマルチパスウェイの電動車を効率的に実現していく」と豊島CPOは解説。