ワゴンともSUVとも異なる、初代スバル『フォレスター』の色あせないスタイル【懐かしのカーカタログ】

スバル・フォレスター(初代)当時のカタログ
スバル・フォレスター(初代)当時のカタログ全 8 枚

富士重工業(当時、現スバル)が『レガシィ』、『インプレッサ』に続くモデルとして1997年2月に登場させたのが初代『フォレスター』。車名は「森に住む人」「森に住む動物」のほか「森を育む人」の意味。ワゴンともSUVともカテゴリーが異なるクルマの位置づけだった。

スバル・フォレスター(初代)当時のカタログ

当時の広報資料では「あらゆるシーンでの使いやすさと、あらゆる道での爽快な走りを追求した、乗用進化型SUV」と定義。特徴的だったのは全高を1580mm、運転席のヒップポイント590mmと高めにとり、実用性の高さと見晴らしのいい視界を確保していたこと。さらにレガシィ・アウトバックなどとも共通の200mmの最低地上高が確保され、悪路走破性にも優れる設計になっていたのも特徴。

水平対向エンジン/トランスミッション/トランスファー/リヤデフを一直線に配置した乗用4WDシステムは、低重心を特徴とし、最大安定傾斜角50.8度とSUVトップレベルを確保。優れた操縦性もアピールした。AT車にはマルチプレートトランスファーの作動油圧を電子制御することで走行状態に応じて後輪への伝達トルクを変化させる、トルクスプリット方式のフルタイム4WDを採用した。

搭載エンジンには、当時のインプレッサ・ターボに搭載されたBOXER MASTER-4をベースとした水平対向4気筒4カム16バルブターボのEJ20型を設定。インプレッサ・ターボの240ps/31.0kg-mを上回る250ps/31.2kg-mを発揮した。サスペンションは4輪ストラットで、T/tbのリヤにはセルフレベライザーを採用した。

室内には合計30箇所の収納スペースが設けられたほか、シングルフォールド式のフルフラットカーゴスペースとし、使いやすさも配慮した。リヤウインドゥ下端を低くし後方視界を確保した外観スタイルはプレーンで、今の目で見ても決して古さを感じさせない。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
  2. マツダの新型SUV『EZ-60』すでに4万台の予約殺到! SNSでは「マツダ復権か??」「日本でも売るべき」など話題に
  3. さらなる人馬一体へ!NDロードスター用「リビルトエンジン」発売、価格は65万7800円
  4. ホンダ『オデッセイ』専用コンソールボックス「オデュッセイヤ」発売、高級感と機能性のプレミアム仕様
  5. ホンダアクセス、新型『プレリュード』の純正用品発売…スペシャリティクーペをさらに上質に
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る