「今のオートバイは高い」ヤマハ発動機 日高社長、次期中計に向け“競争力”検討

ヤマハ発動機の日高祥博社長(12月22日、ヤマハ発動機本社)
ヤマハ発動機の日高祥博社長(12月22日、ヤマハ発動機本社)全 3 枚

ヤマハ発動機の日高祥博社長(“高”ははしごだか)は12月22日、報道各社に向け本社でおこなった会見で、次の中期経営計画に向けたビジョンを語った。その中で、主力事業である二輪については「競争力をつけていく」ことを骨格とし、「今のオートバイはちょっと高い。手が届きやすい商品にしていきたい」と語った。

◆価格帯を維持しながら性能を上げていく

ヤマハは2022年から2024年の3か年における中期経営計画を策定していたが、その中で掲げた新規・成長事業に投資することで2024年売上2.2兆円を達成する、という目標については2023年通期ですでに2.5兆円を達成する見通しであることを改めて強調。

ただし、その中でも「結局、売り上げの8割以上は、主力である二輪車とマリンだった」として、「この主力事業の競争力は今時点でどうなのか。社長になって6年、新規事業への投資を積極的にやってきたが、今一度、虚心坦懐に主力事業というのをしっかり見つめ直し、競争力をつけて、さらに磨いていく。それを次の中期のひとつのメインテーマにしたい」とビジョンを語った。

「競争力」の具体的な内容については「来年じっくり検討していく」としながらも、二輪については「やっぱり価格が高すぎるかな、というのはあると思う」と明かした。

「部品等の価格の高騰もあって、価格転嫁せざるをえずやってきたが、普通に見て今のオートバイはちょっと高い。ホンダさんほどではないにしても、グローバルの生産台数でいえばそれなりの規模を持っている会社なので、もう少しコスト競争力を上げながらお客さんの手が届きやすい商品にしていきたい。だから値上げしたものを値下げしようという話ではなく、これ以上値上げしないでも、採算がよくなっていくような方向で少し頑張らなければいけない」(日高社長)

日本市場では、ハーレーダビッドソンやトライアンフなどの輸入車勢が普通二輪免許で乗ることができるクラスの新型車を70万円程度から導入し人気となっている。一方ヤマハは今年、新たに原付2種クラスの125ccシリーズを3車種投入し、40万円程度からという価格で新規ライダーやリターンライダーに訴求している。日高社長は「多くの人に使ってもらえるような価格帯を維持しながら性能を上げていく。そういったところが基本的な大きな流れになるのでは」と語った。

ヤマハの新型125ccシリーズヤマハの新型125ccシリーズ

さらに製品以外での取り組みについては、「モノからコトへのシフト」を挙げた。ヤマハは「ヤマハカフェ」として毎年40回程度のファンミーティングを開催している。小さい会場でも200人から、多い時では500人ほどのファンが来場するイベントとなっているほか、年に一回開催する大規模イベント「ヤマハモーターサイクルデイ」では5000人が来場する。

「要はオートバイを使う理由をきちっとプロモートしてあげる。そういうことがこれからはより重要になってくると思う」と日高社長は話す。

「私としては『つながる』、ヤマハらしさでいう『発、悦、信、魅、結』の結。結びつくということ。(ヤマハが)お客さんと結びつくだけじゃなくて、お客さん同志にも結びついてもらいたい。イベントのために免許を取って、R25(YZF-R25)とかを買って、若い人たちが集まってくれる。こういうことを新しい文化として磨き上げていきたい。国内に関しては、それがヤマハらしいモノからコトへのシフトのやり方だと感じている」(日高社長)

《宮崎壮人》

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