[サウンド制御術・実践講座]イコライザー…各帯域の音の性質を知るベシ!

「イコライザー」の設定画面の一例(クラリオン・フルデジタルサウンド)。
「イコライザー」の設定画面の一例(クラリオン・フルデジタルサウンド)。全 1 枚

カーオーディオシステムの最終的なサウンドクオリティを上げたいと思ったときには、サウンドチューニング機能を使いこなせるか否かもポイントの1つとなってくる。なおその設定はプロに任せるべきだ。技術と経験がものを言うからだ。

しかしそれと並行して自分でもやってみると、カーオーディオライフを一層充実させられる。当連載ではそれを推奨し、「サウンドチューニング機能」の扱い方をレクチャーしている。

さて、現在は「イコライザー」の扱い方を解説しているのだが、これを上手く使いこなすためには、各楽器の演奏音域がどのくらいの周波数帯なのかを知っておく必要があるので、前回の記事にてその詳細を解説した。

それに引き続いて当回では、各帯域の音がそれぞれどのような性質を持っているのかを総合的に説明していく。

では、具体的に解説していこう。まずは、50Hz以下の「超低域」と呼ばれる帯域には、音程を表現する音はほぼ存在していない。しかし、演奏現場の臨場感を再現できる残響音が録音されている。ホール等で最後まで響いている音は低周波だ。低い音ほど減衰しにくいがゆえだ。なのでこのあたりをしっかりと再生できると、サウンドが豊かになる。

続いて50Hzから200Hzあたりまでは「低域」と呼ばれることが多いが、この帯域はポピュラー音楽では、ドラムスとベースのボディ音がいる帯域だ。なのでこの帯域をしっかり鳴らせると、音楽のノリが良くなる。

そしてその上の200Hzあたりから800Hzあたりまでにかけては、コード楽器やメロディ楽器そしてボーカルまで、音程を表現する「基音」が集中する帯域となる。なおこの帯域のことは「中低域」と呼ばれることが多い。

さらにその上の2kHzあたりくらいまでは「中域」と呼ばれていて、この帯域には各楽器の「倍音」が集中する。つまり音色の良し悪しや響き方に影響が出る帯域、というわけだ。しかしだからといってこのあたりを上げすぎると、クセが強くなりすぎる。ご注意を。

また、2kHzあたりから5kHzあたりまでは、「中高域」と呼ばれることが多いのだが、人間の耳はこのあたりの帯域の音にもっとも敏感に反応する。それもありこの帯域の音を上げ気味にすると音の輪郭に影響が出やすい。また1.5kHzあたりから3kHzあたりには、楽器の立ち上がりの音、つまりは「アタック音」が集中する。なのでこのあたりを強調するとキレ味が増す。しかし上げすぎると不快感が強くなる。

そのさらに上の5kHzあたりから10kHzあたりの「高域」はサウンドの輝きに影響し、それより上の「超高域」は、サウンドの空気感への影響が大きくなる。

今回は以上だ。次回は、どこの帯域をどのように操作するとどんな変化が現れるかについてさらに詳しく説明していく。乞うご期待。

《太田祥三》

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