ヴァレオの次世代LiDAR「SCALA3」、解像度が大幅進化! 「ナイトビジョン」や熱マネソリューションも紹介…CES 2024

ヴァレオが次世代LiDARとして出展した「SCALA3」は、CES 2024において「CESイノベーションアワード」を受賞した
ヴァレオが次世代LiDARとして出展した「SCALA3」は、CES 2024において「CESイノベーションアワード」を受賞した全 16 枚

ヴァレオは、米国・ラスベガスで開催されたCES 2024に出展し、次世代LiDAR「SCALA3」をはじめ、高効率なEV用サーマルマネジメントソリューションやナイトビジョン、ワイヤレス充電ソリューションなど最新技術を披露した。

【画像全16枚】


◆解像度は最低でも従来比10倍! 次世代LiDAR「SCALA3」

次世代LiDAR「SCALA3」は2年前のCES 2022で発表して以降、これまで何度か試作機が公開されてきたが、今回は改めてプレス向け説明会を通して具体的な量産計画を明らかにした。SCALA3には、ルーフへの取り付けを想定した高性能な「SCALA3 SATELLITE」と、グリルなどに埋め込むコンパクトな「SCALA3 SMART」がラインナップされる。

LiDARの開発を担当するクレマン・ヌヴェルCTOは、これまでレベル3を実現した2車はいずれもヴァレオ製LiDARを採用していることを挙げ、「真に実用的なLiDARを提供可能なメーカーはヴァレオだけ」であると強調。クレマン氏は24年末にステランティスの新型車にSCALA3 SMARTの採用が決まっていることや、複数の自動車メーカーからの10億ユーロ受注を獲得していることを明かした。

LiDARの開発を担当するクレマン・ヌヴェルCTO

採用が進む理由としてあるのが、その驚くべき解像度の進化だ。SCALA3の普及版とも言えるSMARTでも、その解像度はSCALA2の約10倍の260万。SATELLITEではなんと50倍近い1250万にも達する。ここに各社が注目しているという。

LiDARが持つ強みは、カメラと違い真っ暗闇でも対象物を検出可能な点に加え、距離測定の精度が高く、車線やランドマークなど周囲の空間情報を3Dの点群データとして取得できることにある。しかも天候に左右されにくい。このデータを高精度マップと照合することで自車位置をより高精度で特定できる。つまり、これこそが自動運転の実現にあたってLiDARが求められる理由だ。

世代が代わるごとに解像度や検知距離の能力は大幅に向上した

SCALA3によって高解像度なデータが収集できるようになれば、AIによるオブジェクト認識でも大きな力を発揮するのは言うまでもない。今回、ヴァレオはこのSCALA3と検知した物体を判別可能にするソフトウェアまでも開発。これが評価されて、今回ヴァレオは「CESイノベーションアワード」を受賞した。

◆高効率EV用サーマルマネジメント「Predict 4 Range」

「Predict 4 Range」は、高効率なEV用サーマルマネジメントソリューションだ。これはバッテリーの状況をリアルタイムでチェックしながら最適化するデジタルツインがシステムの採用によって可能となる。

ポイントは目的地までの距離やバッテリーの状態を把握しながら、AIが充電スケジュールを管理して充電を無駄に行わないようにすることにある。これにより、充電による停止時間を短くできるだけでなく、効率の良い充電を行うことから充電の高速化もメリットをもたらす。結果としてバッテリー寿命を延ばすことにつながるのだ。


《会田肇》

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