双方向がトレンド、インフィニオンのパワー半導体アプリケーション…パワーデバイス&モジュールEXPO

22kWの双方向DCDCコンバーターの実装例。リファレンス実装なので大きく作られている
22kWの双方向DCDCコンバーターの実装例。リファレンス実装なので大きく作られている全 7 枚

半導体業界でオートモーティブ分野を牽引するメーカーといえばおそらくインフィニオンの名前が挙がるだろう。1月末に東京ビッグサイトで開催された、ネプコンジャパンの専門展「第1回パワーデバイス&モジュールEXPO」では、DC/DCコンバーターやオンボードチャージャーで双方向アプリケーションが目立った。

日産『リーフ』は2011年の初代発売の当時からV2Hに対応しており、日本のEVはほぼデフォルトで充電のみならず放電(EVバッテリーから家庭用蓄電池、グリッドへ)にも対応していた。なんらかの形でオンボードチャージャーは双方向充放電が可能になっている。しかし、欧米のEVで双方向、V2H対応の車両は少ない。欧米では、スマートホームや家庭向けのオフグリッドのニーズがあまり盛り上がらなかったからだ。

しかし、エネルギー危機や経済安保議論の高まりを受け、欧米、とくにEUではV2H、V2Lに対応するEVが増え始めている。その流れを受けたのか、インフィニオンのブースでは双方向のリファレンスボードが複数提案されていた。

赤い大きな基板ユニットで目立っていたのは、参考出品の22kWの双方向DCDCコンバーターのサンプルアプリケーションボードだ。デュアルアクティブブリッジ回路を採用し200V~900VまでのEV電圧に対応する。家庭用蓄電池やPVからの直流電力をかけることができる。2次側も900Vまで可能なので市販EVはコンパクトからスポーツモデルまで使えるはずだ。


《中尾真二》

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. 顔が激変! BMWの最小SUV『X1』改良新型、ノイエクラッセ導入へ…プロトタイプを初スクープ
  3. 空冷ポルシェで1台2億円!? マニア垂涎『シンガー911 DLS』とは
  4. 一人乗りマイクロEV「EQV-TREK」発売、355kgの軽量ボディで航続110km…107万8000円から
  5. ホンダ初のフルサイズ電動バイク『WN7』発表、航続130km…2026年欧州発売へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る