ヘビーデューティながら“シティ感覚”、三菱『トライトン』のルーツを辿る【懐かしのカーカタログ】

三菱 フォルテ4WD 当時のカタログ
三菱 フォルテ4WD 当時のカタログ全 10 枚

2024年2月、三菱の新型『トライトン』が発売となった。そこで今回は、そのルーツでもあるピックアップトラックの『フォルテ4WD』に焦点を当て、当時のカタログで振り返ってみたい。

三菱『トライトン』のルーツ「フォルテ4WD」当時のカタログ

イタリア語で“強い”を意味する車名のフォルテ。日本市場では1978年9月に発売された。“Jeepの血統”の文字が目に飛び込んでくる写真のカタログは1980年のもので、設定されていたのは、「ASTRON80」の名で呼ばれた2リットル・4気筒のガソリンエンジン(4G52型)搭載車で、グレードは「デラックス」と「カスタム」の2グレードだった。

カタログで圧巻は何といってもシャシー、ドライブトレインの解説ページ。“下まわり”が大写しになった写真では(撮影用に)ブルーに塗られたラダーフレームや前:ダブルウイッシュボーン、後:リーフリジッドのサスペンション、トーションバースプリング、さらにフロントデフ、等速ジョイント、フロントベンチレーテッドディスクブレーキといったパーツを紹介。

文面では、ハイ/ロー切り換え可能な、パートタイム方式の4WDについて解説。4L、4H、2Hそれぞれの駆動力の伝達経路も写真で示されている。特徴的だったサイレントチェーン、2重防音シフトレバーブーツも紹介している。

登坂能力35度、最大安定傾斜角48度といった紹介も。オプションでスノー・プラウ、電動ウインチの用意があるなどしたのも、ヘビーデューティな当時の4WD車らしい。

一方で“シティ感覚キャビン”の見出しがつく装備の紹介ページでは、上級仕様のカスタムにつくバケットシートやラジオ類を紹介。対向車のライトが反射してルームミラーに映るのを防ぐ曲面リヤガラス、車線変更用にウインカーレバーに軽く触れると作動するレーンチェンジャーといった機能も。

スポーティなコーン型3本スポークステリングホイールは、当時のスポーツクーペの『ランサー・セレステ』と共通だった。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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