ポルシェ『911』初のハイブリッド誕生、3.6リットル電動ターボの「カレラGTS」

ポルシェ 911 カレラGTS 改良新型(グッドウッド2024)
ポルシェ 911 カレラGTS 改良新型(グッドウッド2024)全 11 枚

ポルシェは7月15日、英国で開催された「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2024」に、『911』シリーズ初のハイブリッド車『911カレラGTS』改良新型を出展した。

電動ターボを搭載するポルシェ 911 カレラGTS 改良新型

今年のイベントのテーマは「馬車からハイブリッドへ、パワーの革命」であり、ポルシェの新しい911カレラGTSの公開が注目を集めた。このモデルは、モータースポーツにインスパイアされたハイブリッドドライブトレインを搭載しており、電動ターボと電動モーターによって、より高い速度、応答性、効率を実現している。

ポルシェ 911 カレラGTS 改良新型(グッドウッド2024)ポルシェ 911 カレラGTS 改良新型(グッドウッド2024)

軽量でパワフルな「T-ハイブリッド」システムには、新開発の電動ターボチャージャーが搭載されている。コンプレッサーとタービンホイールの間に組み込まれた電気モーターが、瞬時にターボチャージャーの速度を上げる。これにより、ブースト圧が即座に上昇。ターボチャージャーの電気モーターはジェネレーターとしても機能し、最大15psの電力を発生、排ガスの流れからこのエネルギーが取り出される。ウエイストゲートのない電動ターボチャージャーは、従来の2つのターボチャージャーに代わって1つのターボチャージャーのみでの使用を可能にし、よりダイナミックで応答性の高いパワー供給を実現するという。

パワートレインには、よりパワフルな新しい8速デュアルクラッチトランスミッション(PDK)に組み込まれた永久磁石同期モーターも含まれている。アイドル回転数でも最大150Nmの駆動トルクで水平対向エンジンをサポートし、最大40kWの出力向上を実現する。

ポルシェ 911 カレラGTS 改良新型のハイブリッドシステムポルシェ 911 カレラGTS 改良新型のハイブリッドシステム

両方の電気モーターは軽量でコンパクトな高電圧バッテリーに接続。サイズと重量は従来の12Vスターターバッテリーに相当するが、最大1.9 kWhのエネルギーを蓄え、400Vの電圧で作動する。総重量を最適化するため、ポルシェは12V車載電気システム用に軽量リチウムイオンバッテリーを搭載した。

T-ハイブリッドドライブの心臓部は、新開発の3.6リットル水平対向6気筒ガソリンエンジンだ。高電圧システムにより、エアコンコンプレッサーを電動で駆動することが可能になり、その結果ベルト駆動が省略されるため、エンジンが大幅にコンパクトになった。これにより、電源ユニットの上部にパルスインバーターとDC-DCコンバーター用のスペースが生まれる。ボアは97mm、ストロークは81mmに拡大され、従来に比べて排気量は0.6リットル増加。エンジンにはバリオカムカムシャフトコントロールとロッカーアーム付バルブコントロールが装備されている。マップ全体にわたって燃料と空気の理想的な混合比(ラムダ = 1)を維持する。

ポルシェ 911 カレラGTS 改良新型の電動ターボシステムポルシェ 911 カレラGTS 改良新型の電動ターボシステム

電動アシストなしでも、この水平対向エンジンは485psの出力と570Nmのトルクを発生。システムの合計出力は541ps、合計トルクは610Nmとなり、従来と比較した出力増加は61psだ。

改良新型の911カレラGTSは、静止状態から100km/hまでの加速タイムでも従来型を上回る。この効率的なパフォーマンスハイブリッドは、非常にダイナミックな走行特性を実現すると同時に、プラグインハイブリッド車(PHEV)と比較して余分な重量を大幅に減らしてCO2排出量を削減する。また、従来モデルからの重量増加は50kgに抑えている。

《森脇稔》

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