194km/h暴走事故は常軌を逸した「危険運転」、大分地裁が判決[新聞ウォッチ]

194km/h暴走事故は常軌を逸した「危険運転」、大分地裁が判決(写真は大分地裁)
194km/h暴走事故は常軌を逸した「危険運転」、大分地裁が判決(写真は大分地裁)全 1 枚

富士スピードウェイなどのサーキットをレーシングドライバーが爆走するならともかく、一般道路で194km/hを超えるという猛スピードで乗用車を運転し、しかも右折車と衝突し、相手の運転者を死亡させた事故を起こした被告の元少年に対して、「過失運転」ではなく「危険運転」にあたると認定したのは当然のことだろう。

大分市で2021年2月9日午後11時ごろ、上限が法定速度の60km/hと定められた大分県道交差点に、制御困難な194.1km/hで進入。対向から右折してきた車に衝突し、運転していた当時50歳の男性会社員を死亡させたとして、事故時19歳だった被告が、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)罪に問われた裁判員裁判で、大分地裁は「進行制御困難な高速度に該当する」として同罪の成立を認め、懲役8年(求刑懲役12年)の判決を言い渡した。

裁判長は判決理由で、道路に沿って直進できていたとの弁護側主張に対し、実際に進路の逸脱がなくても、道路状況によってわずかな運転操作ミスで逸脱し、事故が発生する危険のある速度だったと判断。検察側は危険運転罪の要件である「妨害目的」も主張したが、判決は右折車の通行を妨げる積極的な意図は認めなかったという。

きょうの各紙にも「194キロ暴走は危険運転」などと、1面や社会面などに大きく報じている。このうち、東京は社説のテーマとしても取り上げており「『危険運転』の成立を認めたのは市民感覚に合致した判断だ」としつつ、「法の見直しは必要だとしても、厳罰化だけでは常軌を逸した事故はなくならない。運転者への安全教育を、どう実効あるものにするかにも知恵を絞ってほしい」と指摘している。

改めて、マイカーなどを運転するドライバーは、スピード違反は当然としてもアクセルやハンドル操作のミスなどで「走る凶器」にもなることを忘れてはならないだろう。

2024年11月29日付

●194キロ「危険運転」懲役8年、大分死亡事故「常軌逸した高速度」地裁判決 (読売・1面)

●豪16歳未満SNS禁止、上下院可決、施行は1年後 (読売・1面)

●デンソー・富士電機協業、パワー半導体増産に2100億円 (読売・2面)

●EU,車産業支援へ、新枠組み立ち上げ「業界の解決策描く」 (産経・10面)

●フルフラット高速バス運行、東京―高知間、来年2月にも、まず平日から、安全指針を策定(産経・21面)

●社説、時速194キロで致死、「危険運転」判決は当然だ (東京・5面)

●新車出荷前抜き取り検査、国交省、型式不正で再発防止策(日経・1面)

●車8社の世界生産、10月5%減 (日経・15面)

●EV電池リサイクル始動、日本化学産業、200億円で精製拠点(日経・17面)

●投資情報ランキング、今期業績の上振れ期待トヨタ首位 (日経・18面)

《福田俊之》

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