トーヨータイヤはトラック・バス用のタイヤ管理用のアプリである「Tire SAPRI(タイヤサプリ)」を開発しテストマーケティングを開始した。そのアプリ概要をプレス向けに発表したので取材した。

物流事業ユーザーをタイヤ管理という面からサポートするためにトーヨータイヤが開発したアプリケーションである「Tire SAPRI(タイヤサプリ)」。ベースとなったのは同社が2020年に公表しているTPMSや加速度、GPSなどを備えたデバイスを取り付けることで、車両に装着したタイヤの摩耗や走行環境などの情報を蓄積しAIによって解析する、タイヤの使用状態推定モデル。これに加えて新たにデジタルアプリであるタイヤサプリを開発した、同アプリを用いるとどんなことができるだろう?

そもそも物流業界では大量のトラックなどの車両を管理、さらに一台一台のタイヤの摩耗やサマータイヤ/スタッドレスタイヤへの交換時期、タイヤローテーションのタイミングなど、さまざまなタイヤにまつわる管理を強いられる。膨大な数の車両に対して、これらをアナログ管理するのはかなりの労力になる。物流業界では2024年問題もあり労働不足が言われている中で、さらに負荷が掛かる課題を増やしたくないという事業者のニーズも強いのが現状だ。

そこでトーヨータイヤが問題解決のために開発したのがデジタルアプリケーションのタイヤサプリだ。TPMSに加えて加速度、GPSなどを備えたデバイス(TPMSや車外への通信機能を内蔵)を車両に設置、そこから得られるデータをAI解析しアプリにインプットするという流れ。ここから得られるさまざまなタイヤに関係する情報を使ってタイヤサプリでタイヤのメンテナンスなどを一元管理し効率化することができるのが大きなメリットとなる。
タイヤサプリはわかりやすいユーザーインターフェイスを持ち、各画面は各車両のタイヤの状態などが一目でわかるように設計されているのが特徴だ。タイヤの摩耗予測表示、空気圧・温度モニタリング機能、状態異常検知・通知機能、タイヤの管理機能を備えている。例えばトラックのタイヤの摩耗もこのアプリで管理できる。車両を選ぶと各タイヤの摩耗の状態/偏摩耗の状況などがグラフィカルに表示される。どの位置のタイヤがどの程度摩耗しているかが一目瞭然だ。しかもAIで摩耗を解析するため将来的にどの程度の摩耗が進行するかもあらかじめわかるので、タイヤ交換の時期の設定も事前にわかるのもありがたい機能だろう。AIによる予測の精度は高く、摩耗の場合、誤差1mm未満に抑えられる高精度を持つ。

さらにタイヤの異常についてはリアルタイムでモニタリングしていて(車両からは情報を4G回線を使って通信している)、異常(摩耗異常、空気圧異常、温度異常)を検知するとリアルタイムでメールでアラートを流すことが可能。該当車両にすぐさま連絡して対処することができる点でも安心感が高いシステムとなった。