【VW パサート 新型試乗】PHEVは、EVに踏み切る前の一歩として魅力…諸星陽一

VW パサート 新型(eハイブリッド・Rライン)
VW パサート 新型(eハイブリッド・Rライン)全 12 枚

◆ステーションワゴン専用設計となったパサートの進化

フォルクスワーゲンの『パサート』がフルモデルチェンジ。これまでのセダンとステーションワゴンの2ボディバリエーションは廃止され、今回はセダンモデルがラインアップから外れた。

【画像全12枚】

従来、「ヴァリアント」として知られたワゴンの名前も廃止され、そのまま「パサート」の名を冠した新型ステーションワゴンとして登場した。これにより、パサートは実質的にステーションワゴン専用の車種となった。ボディ幅が20mm拡大し1850mm、全長は130mm伸ばされ4915mmとなった。ホイールベースも50mm延長され、全体的に余裕を持ったデザインが実現されている。

VW パサート 新型(eハイブリッド・Rライン)VW パサート 新型(eハイブリッド・Rライン)

また、ワゴン専用設計のため、ラゲッジスペースの拡大も大きなポイントだ。通常時で690リットル、後席を倒せば最大1920リットルの容量を誇り、使い勝手は抜群。加えて、電動トノカバーやラゲッジフロアでの荷物固定、さらにDC12VとAC100V(1500W)の電源供給機能なども充実している。

新型パサートには、日本仕様として2リットルディーゼルエンジン(TDI)、1.5リットル48Vマイルドハイブリッド(eTSI)、そして1.5リットルPHEV(eハイブリッド)の3つのパワートレインを用意。とくに注目すべきは、マイルドハイブリッドシステムで、エンジン出力110kW/250Nmに対して、モーターは85kW/330Nmを発揮し、352Vのリチウムイオンバッテリー(容量25.7kWh)が運転席下に配置されている。このシステムにより、WLTCモードで最大142kmのEV走行が可能だ。

VW パサート 新型(eハイブリッド・Rライン)VW パサート 新型(eハイブリッド・Rライン)

◆特筆すべきはそのスムーズな加速

走行性能においても、特筆すべきはそのスムーズな加速。モーターアシストにより、走り出しは非常にスムーズで、バッテリーが80%以上の時はEV走行からスタートし、残量が少ない場合でもドライバーが選択できる。ハイブリッド走行でも、エンジンとモーターの協調が自然で、全体的に非常にスムーズな走行感覚が得られる。

さらに、「Rライン」に標準装備され、「エレガンス」にはオプションのアダプティブシャシーコントロール(DCC Pro)が、走行安定性を向上させる。DCC Proでは減衰力を2バルブ方式で制御しており、ボディ制御が格段に精密で、加減速時の乗り心地が非常に快適。特にコーナリング時の安定感が高く、スポーティな走行を楽しむことができる。

VW パサート 新型(eハイブリッド・Rライン)VW パサート 新型(eハイブリッド・Rライン)

回生ブレーキの強弱もセンターモニターで調整可能で、個人的には「強」での走行が快適だった。回生ブレーキの強さは、いわゆるBEVや一部のPHEVほど強烈ではなく、むしろ自然な感じで運転できる。もしパドルで直接調整できれば、さらに使いやすいだろう。

静粛性についても、パサートはかなり高いレベル。タイヤノイズが若干聞こえる場面もあったが、ステーションワゴンとしては非常に静かで快適な走行が楽しめる。

◆EVに踏み切る前の一歩としても魅力的

価格面では、パサートのPHEV(eハイブリッド)はエレガンスグレードで655.9万円、Rラインで679.4万円。国のCEV補助金55万円や地方自治体の補助を考えると、かなりお得感があり、EVに踏み切る前の一歩としても非常に魅力的な選択肢だ。

VW パサート 新型(eハイブリッド・Rライン)VW パサート 新型(eハイブリッド・Rライン)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産『スカイライン』新型が12月公開へ! 開発期間を半減、“日産復活の象徴”はどうなる?
  2. 【BYD ラッコ 新型試乗】1週間、日常使いをしてわかった「2つのメリット」と「3つの課題」…中村孝仁
  3. ボルボ『XC40』が表情一新、AIアシスタント「Gemini」搭載と安全技術を強化…欧州発表
  4. トヨタ『ノア/ヴォクシー』次期型は新開発エンジン搭載のHEVに…土曜ニュースランキング
  5. ホンダ『WR-V』が2027年に大幅改良か? 新顔デザイン採用、待望のハイブリッド追加も!
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 【全文PDFプレカン】日産自動車 長期ビジョン発表会
  2. タイ矢崎電線のアルミ新工場がタイに完成、生産量3倍に増強…送配電網・自動車向けに対応
  3. ボッシュ、大型商用車事業の売上倍増へ…IAA TRANSPORTATION 2026
  4. 全ての体格に対応する後席用新型シートベルト、ZFが2025年央発売へ
  5. 廃棄ガラスのフロート板ガラス水平リサイクルに成功、日本板硝子と板硝子協会が国内初実証
ランキングをもっと見る