鳴らないのはコレが原因!? サブウーファーの「フェイズ設定」完全ガイド[低音強化のススメ]

「パワードサブウーファー」の取り付け例(ミューディメンション・Black Box X8)。
「パワードサブウーファー」の取り付け例(ミューディメンション・Black Box X8)。全 3 枚

カーオーディオシステムで音楽を再生するとき、どうしても超低音(もっとも低い音)が不足しがちだ。なぜならドアに取り付けられるスピーカーではサイズ的な問題で超低音までをスムーズに再生し難いからだ。ゆえに超低音再生の専用スピーカーが活用されることとなる。

◆「フェイズ」とは「音波のタイミング」。これには「正」と「逆」がある!?

当連載では、その超低音再生の専用スピーカー、つまりは「サブウーファー」の選び方から使い方までを解説している。現在は、「パワードサブウーファー」のサウンドセッティング術を紹介している。

さて今回は、リモコンに設定されている「フェイズ切り替えスイッチ」の使い方を説明していく。

まずは「フェイズ」とは何かを説明しよう。これは日本語で言うと「位相」だ。音は、静かな水面に石を投げ入れたときにできる波紋のように空気中を上下運動を繰り返しながら進んでいく。一旦盛り上がり次には沈み込みそうして元の高さにまで戻る。この運動のタイミングが位相と称されている。

で、スピーカーに接続しているケーブルのプラスとマイナスとを繋ぎ替えると位相が反転する。ちなみに0度のところをスタート地点とする位相のことは「正相」と呼ばれ、180度のところをスタート地点とする位相のことは「逆相」と呼ばれている。

「パワードサブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-WX140DA)。「パワードサブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-WX140DA)。

◆複数のスピーカーから同じ音が聴こえてくるとき、位相を合わせる必要性が生じる!

なお1つのスピーカーのみで音楽を再生するときには、位相は問題にならない。しかし複数のスピーカーで音楽を聴くときには、位相が合うか否かが問題となる。

例えばサブウーファーを導入する場合、サブウーファーから放たれる音の中の高い方の音はドアスピーカーからも聴こえてくる。このように同じ音が複数のスピーカーから聴こえてくるとき、それぞれの音の「音波のタイミング」がピタリと合う必要がある。逆にズレてしまうとサウンドの一体感が損なわれる。

フェイズ切り替えスイッチは、そのような状態を是正するために存在している。

では、操作方法を説明していこう。音楽を流しながらフェイズ切り替えスイッチの「正」と「逆」とを切り替えて聴き比べてみよう。そうすると位相が合っている方と合っていない方とで聴こえ方が変化する。

「パワードサブウーファー」のリモコンの一例(カロッツェリア・TS-WX140DA)。「パワードサブウーファー」のリモコンの一例(カロッツェリア・TS-WX140DA)。

◆「正・逆」を切り替えて、「向かってくる感じ」が強い方を選択! しかし…

合っているか否かでどのように聴こえ方が変化するかは以下のとおりだ。ピタリと合うと音量が大きくなったように聴こえ、音の「向かってくる感じ」が強くなる。逆に合っていないと音量が小さくなったように聴こえ向かってくる感じが弱くなりとっ散らかったような印象となる。

というわけなので、リモコンのフェイズ切り替えスイッチの「正・逆」を入れ替えて音を聴き比べ、向かってくる感じの強い方を選択しよう。それにて設定は完了だ。

ただし、正・逆を切り替えても聴こえ方があまり変化しないときがある。「音波のタイミング」が合っているか否かがどっち付かずの状態となっていると、切り替えても聴こえ方が変わらない。このようになることも有り得ている。

そんなときにはその他の何かを変えないと、位相は合わない。

その他の何かをどう変えるかについては、次回の記事にて説明していく。お読み逃しのなきように。

《太田祥三》

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