ヤマハが謎のコンセプトバイクを電撃公開、『セロー』以来のオフ回帰!? その正体は…大阪モーターサイクルショー2025

ヤマハ オフロードカスタマイズコンセプト(大阪モーターサイクルショー2025)
ヤマハ オフロードカスタマイズコンセプト(大阪モーターサイクルショー2025)全 24 枚

◆正体不明を装うが即身バレ!?

「大阪モーターサイクルショー2025」のヤマハブースのど真ん中に、正体不明のオフロードモデルが展示されていたことで、来場者やSNSでざわついている。

ニューモデルが華々しくディスプレイされている中、ステップやペダル類に傷がつきダートを乗り込んだ形跡があり、フェンダーの裏を覗き込めばマッドガードに泥まで付着しているのだ。

ヤマハ オフロードカスタマイズコンセプト(大阪モーターサイクルショー2025)ヤマハ オフロードカスタマイズコンセプト(大阪モーターサイクルショー2025)

説明はおろか、車名を掲げるボードすらない。ナンバープレートには「オフロードカスタマイズコンセプト」とあるが、コアなバイクファンなら知っている!

エンジンの打刻やコーションラベルを探すが隠されているが、インドネシアなどASEANで販売されている『WR155R』と見て間違いない。

◆フルサイズオフを待っている!

ヤマハも熱視線を浴びることを百も承知だ。“Adventure&Touring”と記されたボードを背景に、ウッドチップの台座を用意し、目立たせている。ノーマルでは標準装備していないはずのハンドガードを備えているところも心憎い。

排気量は小さいながらも「WR155R」は、フロント21/リヤ18インチの足回りを持つフルサイズオフローダーだ。

ヤマハ オフロードカスタマイズコンセプト(大阪モーターサイクルショー2025)ヤマハ オフロードカスタマイズコンセプト(大阪モーターサイクルショー2025)

スチール製セミダブルクレードルフレームに、ボア・ストロークを58×58.7mmとして排気量を155ccとする水冷4サイクルSOHC4バルブ単気筒エンジンを搭載。可変バルブ機構を採用し、全域で扱いやすくトルクフルな出力特性としている。最高出力12.3kW(16.7ps)/10,000rpm、最大トルク14.3Nm(1.46kg-m)/6,500rpmのスペックは十分だ。

フロントフォークのインナーチューブ径は41mmで、前輪ブレーキはNISSIN製2ピストンキャリパーと240mmウェーブディスクローターの組み合わせ。黄色いスプリングのリヤショックはボトムリンク式で、角断面スチール鋼管製のスイングアームなど、足まわりの装備内容も本格派と言える。最低地上高245mmを確保し、シート高は880mm。車体重量は134kgでしかない。

◆TWブーム火付け役が仕掛け人!!

ヤマハ セロー250 ファイナルエディション(左)と、初代セロー225(参考画像)ヤマハ セロー250 ファイナルエディション(左)と、初代セロー225(参考画像)

ヤマハの国内ラインナップは『セロー250ファイナルエディション』を2020年1月に発売したのを最後に、ナンバー付きオフローダーが絶滅してしまった。セローの生産中止は数多くのユーザーから惜しまれ、そしてまたヤマハオフロードファンは新型の登場を心待ちにしている。

1967年の「DT-1」以来、ヤマハはオフロードで名を馳せたメーカーであるものの、現在ではホンダ『CRF250L』やカワサキ『KLX230S』らがそのセグメントを牽引していて、このまま黙っているわけにはいかない。そんな中、今回の展示はヤマハのサプライズであり、ファンへの回答なのかもしれない。

仕掛け人は新社長だ。キムタクがTVドラマでも乗った『TW200』のカスタムがストリートに溢れかえった“ティーダバー”ブームの火付け役、設楽元文(したら・もとふみ)氏が就任したことを発表したヤマハ発動機2月の決算説明会では、「誰にも負けない熱烈なヤマハファン」だと会長兼社長の渡部克明氏に紹介された人物である。

ヤマハ オフロードカスタマイズコンセプト(大阪モーターサイクルショー2025)ヤマハ オフロードカスタマイズコンセプト(大阪モーターサイクルショー2025)

そこで新たな方針として明かされたのが「ASEANを中心にプレミアム領域でのシェアを拡大し、より高収益を目指していく」という説明だった。さすがは筋金入りのヤマハ好きだ。話がわかる。

そこに、国内ラインナップに不足していたフルサイズオフローダーが含まれることをオフロードファンらは心から願い、期待していたのだ。間違いない「WR155R」がやってくるぞ!!

◆原2オフも見えてきた!!

ヤマハ オフロードカスタマイズコンセプト(大阪モーターサイクルショー2025)ヤマハ オフロードカスタマイズコンセプト(大阪モーターサイクルショー2025)

さらにもっと言おう。すでに国内で発売されている『NMAX155』や『YZF-R15』それぞれに125ccモデルが存在するように「WR125R」の登場も見えてくるではないか。

今回の展示車を前にしてヤマハ担当者にネチネチ話を聞くが、「WR155R」そして「WR125R」いずれも日本導入に関してはノーコメントを貫く。

しかし、こうして日本のモーターサイクルショーについに車両展示。期待せずにはいられないのだ。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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