豊田自動織機、大気圏再突入時の耐熱素材を共同開発へ

衛星本体から回収カプセルが分離した瞬間(イメージ)
衛星本体から回収カプセルが分離した瞬間(イメージ)全 3 枚

宇宙ベンチャーのElevationSpaceと自動車部品メーカーの豊田自動織機は、宇宙空間の実証機が地球に帰還する際の大気圏再突入システムに用いる耐熱素材の共同開発を開始すると発表した。

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この共同開発では、豊田自動織機が持つ炭素繊維の3次元織物技術を活用し、大気圏再突入時の高温環境にも耐えられる軽量かつ低損耗、低コストな耐熱材料の研究開発を進める。3次元織物の特長である設計の自由度を生かし、大気圏再突入機の各部位にかかる熱負荷に応じて最適な密度で織ることで、軽量化とコスト低減を目指す。

ElevationSpaceは、宇宙の独自な環境を活用した実証・実験を目的とした「ELS-R」シリーズの初号機「あおば」の打ち上げを2026年後半に予定している。これを機に、「ELS-R」シリーズを継続的に打ち上げる計画だ。さらには、大気圏再突入・回収技術をコア技術とし、ヒト・モノの輸送事業へと展開していくことを目指している。

宇宙活動の拡大を背景に、基幹ロケットや大気圏再突入技術は国際競争力を下支えする重要な基盤技術となっている。その中核である熱防護技術は、さらなる需要の拡大が見込まれる。ElevationSpaceと豊田自動織機は、両社が持つ技術を融合し、各国に先んじて研究開発を進めることで日本の宇宙産業の基盤強化および国際競争力の向上をめざす。

国際宇宙ステーション(ISS)の運用終了が2030年末に決定している中、ElevationSpaceは「ポストISS時代」を見据え、宇宙環境利用プラットフォーム「ELS-R」の提供を目指している。「ELS-R」は、無重力環境を生かした実験や実証を、無人の小型衛星で行い、それを地球に帰還させて顧客のもとに返す国内初のサービスだ。

《森脇稔》

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