米国のヘネシー・スペシャル・ビークルズは、世界最強の内燃エンジンを搭載したハイパーカー、『ヴェノムF5エボリューション』を発表した。この車両は、長期にわたる開発プログラムを経て、性能、ハンドリング、快適性を、従来型の『ヴェノムF5』から全面的に向上させているという。
ヘネシーの技術者チームは、世界的に有名な性能・空力の専門家と協力し、顧客の要望に応えるべく、ハイパーカーの能力をさらに高めるための包括的な開発プログラムを実施した。ヴェノムF5エボリューションは、出力とトルクの向上、ダウンフォースを改善する新しい空力パッケージ、ハンドリングと乗り心地を向上させる新しいモード適応型サスペンションを特徴としている。さらに、オプションでツーリング用エキゾーストシステムとツーリングシートも用意されている。

ヘネシーは、シェル・ペンゾイルやロジャー・ペンスキーとの長年の関係を活かし、高性能エンジニアリングの専門家であるイルモア・エンジニアリングと提携して、「フューリー」と呼ばれる6.6リットルツインターボV8エンジンをさらに強化した。イルモアとヘネシーのエンジニアリングチームは、エンジンとパワートレインの主要部分を大幅に強化した。
その結果、極めて耐久性の高い新しいエンジン設計が実現し、0-320km/h加速を10.3秒で達成する一方で、顧客による耐久レース出場にも対応可能となった。イルモアの改良により、出力も214hp増加し、環境に優しいシェルE85燃料を使用して8000rpmで2031hp、5200rpmで1445lb-ftのトルクを発生する、世界最強のロードカー用内燃エンジンが完成した。

空力開発では、道路、サーキット、滑走路、風洞試験から得られた豊富なデータを活用した。F1やインディカーの空力専門家のマーク・ハンドフォード博士と協力し、車両全体の空力特性を新たなレベルで詳細に研究した。
その結果、フロントスプリッターが完全に新設計され、車体下部に最も大きな変更が加えられた。ヘネシーのチームは、各フロントホイールの前に単一のダイブプレーン、車体下部にタイヤウェイクデフレクター、各フロントホイールアーチの上にルーバーを追加した。新しいサスペンションと連携して、リアデッキスポイラーの後端に新しいガーニーリップを設置し、高速走行時の加速と制動時の安定性を向上させている。