エッチ・ケー・エス(HKS)は、5月21日から23日にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展 2025」およびオンライン展示会に出展すると発表した。「未来を加速するエネルギーとテクノロジー」をテーマに、最先端のEV技術や持続可能なモビリティを実現する革新的ソリューションを紹介する。
主な展示内容の一つは「HKS e-HIACE MULTI ENERGY CONCEPT」だ。これはシリーズハイブリッド方式を採用し、純正エンジンを発電専用に使う構造。液体燃料としてHKS開発中のCN燃料やバイオエタノール、NH3混合燃料、気体燃料としてグリーン水素やCNメタン、再生可能天然ガス(RNG)、CN-LPGに対応する。バッテリーは車両中央床下に、CNGタンクは後方床下に配置し、給油口、充電口、ガス充填口の三つのエネルギーポートを備える。高負荷の電気機器利用や災害時の電源供給車両としても活用が想定されている。
また、旧世代エンジンの高効率化による脱炭素社会への新アプローチも展示される。1990年代製造のエンジンを対象に高圧縮比化や副室燃焼、高耐ノック性CN燃料対応技術を開発し、熱効率を従来の25.5%から40.6%へ大幅に向上させた。これにより新車製造や廃棄に伴う資源消費やCO2排出を含むライフサイクル全体での環境負荷を低減できる。展示品には『スカイラインGT-R』用RB26エンジンの高効率シリンダヘッドや組立式ピストン、3Dカムシャフトが含まれる。
さらに、HKSは長年のサスペンション開発技術を活かし、純正形状ショックアブソーバやスプリングの開発・製造受託、耐久試験や性能評価などの試験受託サービス、電子制御ショックアブソーバ、競技用サスペンションも紹介する。
HKSは1973年創業以来、エンジンパーツやターボ、マフラー、サスペンションなどの高性能パーツを世界中に提供し、チューニング文化を築いてきた。近年は環境省の補助金事業にも参加し、バッテリー交換式EVトラックの実証事業など脱炭素化に向けた取り組みを進めている。