ファストバックシルエットが理想的な気流を生む。日産自動車は6月17日、電気自動車の『リーフ』新型を世界初公開した。流麗なシルエットと徹底した空力対策により、日本・米国仕様で空気抵抗係数(Cd値)0.26、欧州仕様では0.25(いずれも社内測定値)を達成した。
●マジックナンバー
リアウィンドウは水平線から17度でリアへ下がる。磯部博樹チーフ・ビークル・エンジニアは17度の角度を“マジックナンバー”と呼ぶ。ファストバックシルエットにより車体上面の乱流を抑え、後方へのスムーズな気流を確保した。
磯部チーフ・ビークル・エンジニアは新型リーフの開発方針として「効率重視」を上げる。効率至上主義で成し得た実用性能のひとつに空力性能があげられる。理想的な空気の流れを生み出すシルエットのほか、Cd値向上の主な工夫は以下が挙げられる。
フロントエンドから側面にかけては、ホイールとリアエンドでの横風の抑制、フード先端およびバンパー形状の最適化、シーリング性を高めたグリルシャッター、フラットな空力ホイールが挙げられる。欧州仕様では部品調達元の関係でミラー形状が他の地域と異なり、これがCd値の向上に貢献している。将来的には仕様は統一されるだろう。リアではデッキおよびバンパー形状を最適化している。

●アンダーボディのフラット率は95%
空力トリックは車体下部にも及ぶ。フロントタイヤの前には3D形状のディフレクター(整流器)が設けられ、ジャッキエリアには脱着可能なカバーが設置されている。フラットアンダーボディは言わずもがなで、磯部チーフ・ビークル・エンジニアによると段差50mm以内のフラット率は95%以上だという。
●初めてフラッシュドアハンドルを採用
ドアハンドルには、日産車で初めてフラッシュドアハンドルが採用された。ドア本体の面とフラッシュ(面一)に収まり、抵抗と騒音の両方の空力特性に効果がある。キーを持っている人が近づくと、ドアがアンロックされてハンドルがポップアップするようになっている。