アウディ『A6』は前身の『100』時代に、4代目の後期モデルから100に代わり与えられた名称だった。そしてA6として初めてのモデルチェンジを受け、登場したのが、A6としては2代目にあたるこのモデルだ。

初出は1997年3月のジュネーブショー。何といっても衝撃的だったのは、そのスタイリングで、フロントからリアに向かって綺麗な弧を描くルーフライン、サイドウインドゥグラフィックは、その後のアウディ各車にも引き継がれた重要なデザイン要素。

また『TT』にも似た丸みを帯びたリヤエンドや、バンバーの高い位置から下をブラックとしたカラーリングも特徴的だった。0.28のCd値を得た、アッパーミドルクラスのセダンとして極めて斬新なデザインは目を惹いた。

インテリアの質感の高さにも注目された。筆者はまさに登場時のジュネーブショー会場で室内に乗り込み、インパネ、ドアトリムなどの精緻な作り込みを肌で実感したが、これぞ上質な大人のセダンと感心したことをよく覚えている。

またセダンを追いかけて登場したワゴンボディのアバントも、ラゲッジスペースはキメの細かなカーペットで覆われ、クラス相応の上質な設えになっていた。

当初には2.4リットル、2.8リットルの2つのV6・5バルブエンジンを搭載。いずれも5速ATのティプトロニックの組み合わせ。もちろんフルタイム4WDクワトロシステムも用意された。