ヤマハのネオレトロ『XSR900』、外装キットが国内20%超の装着率で「嬉しい誤算」その理由とは?

XSR900 2025年モデル用「フロントカウル アイボリー」
XSR900 2025年モデル用「フロントカウル アイボリー」全 12 枚

ネオレトロなデザインが魅力のヤマハのスポーツヘリテージ『XSR900』。4月より発売された2025年モデルでは、限定色の「アイボリー」が追加され話題となった。そのXSR900用に開発されたアクセサリー外装キットが日本や欧州で異例の人気を見せているという。

【画像】ヤマハ XSR900 アイボリーカラーの車体と専用カウル

「企画担当者やデザイナー、もちろん設計者や本体に関わる技術者も、車両を囲んでみんなでワイワイと議論を重ね、それぞれが意見を出し合いながらバイク乗りとしての想いを込めました。その想いが、日本だけでなく欧州のライダーたちにも響いたことに喜びを感じています」

初期の企画段階では、「XSR900」とともに過ごすオーナーのスタイルをスケッチで共有。それらを実現する外装キットの開発に取り組んだ。初期の企画段階では、「XSR900」とともに過ごすオーナーのスタイルをスケッチで共有。それらを実現する外装キットの開発に取り組んだ。

ヤマハ発動機 カスタマーエクスペリエンス事業部でアクセサリー・パッケージ戦略を牽引した田中佑樹さんは語る。アクセサリー外装キットはフロントカウルとシートカウルを用意。XSR900がもつレトロスポーツ感をより強調させるもので、スタイルを一変させてしまうほどの大型アクセサリーでありながら、国内では新車購入者の20%以上、欧州でも12~16%ものライダーがこのキットを愛車に装着しているという。

田中さんは、「私たちの部門のミッションは、お客さまの体験価値を作り出すことにあります。モノよりコトといったことがよく言われますが、メーカーがそれを体現するのは簡単ではありません。XSRの事例は、お客さまの夢を設定し、その夢を可視化する提案でしたが、モノを通じたコト消費の在り方の一つを示せたのではないかと感じています」とその手応えを語っている。

田中さん(左)と里中さん(右)は、「自信をもって送り出せる」と胸を張る田中さん(左)と里中さん(右)は、「自信をもって送り出せる」と胸を張る

設計を担当した里中志成さんは、「本体がフルモデルチェンジした後に、あえて時間的なギャップを作って(外装キットを)提案したことで見えてきたこともありました」と振り返る。XSR900がモデルチェンジしたのが4月、キットが発売されたのが8月。「本体の導入年度は話題にもなりますし、それに合わせて販売台数も伸びます。ただ2年目以降は徐々に注目度が落ちていくものですが、そのタイミングでXSRの新たな価値を問うたことにも意味があったと思います」と話しており、結果としてXSR900の話題性を継続させることで「本体販売にも好影響を与えることができた」と分析する。

2代目XSR900の登場時に、往年のGPシーンを彷彿させるブルーを設定。初代が持っていた高いファッション性とは異なるキャラクターを全面に押し出したが、一方でそれまでのファンの期待とは異なるコンセプトから代替え需要を逃してしまった面もあった。それを2025年モデルでは、グローバルモデルとして発売中のホワイト×レッドやブラック×ゴールドに加え、2025年9月30日まで期間限定で受注している日本専用カラーのアイボリーを新たにラインアップすることで一新。カラーだけでなく乗りやすさの向上も図り、新たなファン創出につなげた。

開発の過程では、企画や設計、デザイナーなどが、実車を囲んで「ワイガヤ」で作り込んだ。開発の過程では、企画や設計、デザイナーなどが、実車を囲んで「ワイガヤ」で作り込んだ。

「カラーリングやグラフィックにもこだわり抜いて、かつての伝統的な塗料を用いながら、当社の製造技術を駆使して表現することにもチャレンジしました」と里中さんは語っている。

その魅力をさらに引き出したのがフロントカウルとシートカウルだった。田中さんは「アクセサリーの可能性はもっと拡がるはず」として、「たとえば、バイクを買ったから〇〇しようではなく、〇〇をしたいからバイクが欲しい! といった発想や動機をアクセサリーで生み出せるかもしれません。ヤマハ発動機製品との感動体験をさらに拡張する、そんなアクセサリーの開発に取り組んでいきたい」と、今後のヤマハ純正アクセサリーの可能性を語った。

前後カウルを装着したアイボリーのXSR900 2025年モデル前後カウルを装着したアイボリーのXSR900 2025年モデル

《宮崎壮人》

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