世界初の5人乗り量産EVとして初代『リーフ』が登場したのは2010年12月。前年の2009年8月に横浜・グローバル本社竣工にあわせて発表された。世界累計販売台数は2014年には10万台、発売10周年の2020年には、2代目と併せ50万台に達した。
型式の“ZE”はZero Emissonからつけられたもの。タイトル写真は2009年の「第41回・東京モーターショー」で配布された日産のパンフレットのトップページを飾ったときのもの(以降の写真は2015年11月の本カタログのもの)。

イメージカラーだったアクアブルーのボディ色が懐かしいが、これは宇宙から眺めた水の星、地球をイメージしたもの。“賢い流動体”をイメージした流麗なスタイルは、低いボンネットよりヘッドランプを高くし、空気の流れをドアミラーに当てないようにしたり、アンテナ形状の工夫などで、走行中の静粛性にも配慮。

インテリアでは上下2段のツインデジタルメーターを採用。デジタル表示のスピードメーター、エコインジケーターは上段に配し、下段には大きめの液晶セグメントを用いたバッテリー残量計、航続可能距離表示、バッテリー温度計や、出力と回生の状態がわかるパワーメーターが配置されていた。ほかにパソコンのマウスのような電制シフト、フラットセンターパネルなどを採用。室内色は明るくクリーンな印象のエアリグレーを基調とした。

モーターは最大トルク280Nm/最高出力80kWの、三相交流・永久磁石型同期モーターを採用。これに容量24kWh、最高出力90kW、総電圧360Vのリチウムイオンバッテリー、日産独自開発のインバーター、DC/DCコンバーターを搭載した。充電ポートは急速充電(現在のCHAdeMO)とAC200Vの普通充電の2口をフロントに備えた。

発進から最大トルクを発生することから、中・低速加速は3.0リッターのガソリン車並み、最高速度は145km/hを達成。バッテリーを車両重心点に置くためヨー慣性が小さく、スムースなハンドリングも特徴とした。
JC08モード一充電走行距離は200km。その後2012年11月の改良で228km、2015年11月には新開発の30kWhバッテリーを追加し、280kmまで伸ばした。
