エレクトロニクス商社の丸文は11月5日、米国のTeledyne LeCroy, Inc(テレダイン・レクロイ)と代理店契約を締結し、同社の車載イーサネット・テストソリューションの取り扱いを開始したと発表した。
このソリューションは高機能かつ高精度なオシロスコープと高速インターコネクトアナライザー(TDR)、さらに自動テストソフトウェアを組み合わせた統合テストシステム。ADAS(先進運転支援システム)やコネクテッドカーの進化に不可欠な車載ネットワークの開発・製造において、単なる規格の合否判定に留まらず、テスト不合格の根本原因を迅速に特定する高度なデバッグ機能を備える。
この機能によりエンジニアの開発効率を高め、次世代自動車の品質向上と市場投入のスピードアップに貢献する。
車載イーサネットは自動車内のECU間で大容量データを高速伝送する基幹技術で、その性能と信頼性を保証するための物理層コンプライアンステストが重要となる。不合格が発生した場合、原因を迅速に特定し解決することが求められるが、Teledyne LeCroy社の車載イーサネット・テストソリューションはその点を強力にサポートするシームレスな環境を提供する。
主なコンプライアンステストには出力ドループやジッタ(マスタ/スレーブ)、クロック周波数、パワー・スペクトル密度、トランスミッタ歪み、MDIリターンロスなどが含まれる。
また、デバッグ機能ではプロトコル・デコード&トリガー、時間相関ビュー、高度なジッタ解析、アイパターン解析などを同一画面で実現し、信号品質やデータの問題点を視覚的かつ詳細に解析できる。
主なアプリケーションとしては、車載イーサネット基板開発、SerDesの信号品質チェック、MIPI(A-PHY/D-PHY)検証が挙げられ、これらにおいて複雑なコンプライアンス試験の完全自動化やエラー検知を可能にしている。
今後、丸文はこのソリューションを加えたことで、物理層から上位層までの車載ネットワーク評価をワンストップで提供し、自動運転時代の信頼性向上と開発・製造プロセスの効率化を支援する、としている。
丸文は1844年創業のエレクトロニクス商社で、半導体や電子部品、電子応用機器を扱う。現在はデバイス事業、システム事業、アントレプレナ事業の3つの事業で展開し、テクノロジーによる未来貢献を目指している。




