車内の子どもの死傷事故は、保護者が我が子を殺す構図である。こんな悲惨な事故は、なんとしても防がなければいけない。だというのに、昨年に続き今年も、小学生が死亡する事故が報道されている。
自動車工業会、JAF、消費者庁、内閣府にはじまり、CRSメーカーも、西松屋などの子ども用品を扱う販売店も「小学生になっても身長150cmまではジュニアシート」と伝えている(正しくは、150cmまでを目安に、首や腹部にかかっていないか確認してね)。なのになぜ、その情報が活かされないのか。自分は事故など遭わないと思っているのか、それとも、シートベルトで安全と思っているのか。
正しい情報が、必要な人に届かない理由はなんだろう。
もどかしく思った私は、所属しているIATSS(国際交通安全学会)で研究会を立ち上げた。名付けて『ジュニアシート使用率向上に向けた、交通安全情報発信の在り方の研究』である。研究なんて無縁のモータージャーナリストは、四苦八苦しているものの、プロジェクトメンバーに支えられ研究を重ねた結果、ひとつの回答に近づきつつある。
そしてこの度、プロジェクト活動の一環として現時点での情報をみなさんと共有し、さらにみなさんの意見や知見をいただく機会としてシンポジウムを開催させていただく運びとなった。
『SNSとAI時代に、いかに安全情報を届けるか ~チャイルドシートの使用実態と情報発信の課題~』
*今回は、チャイルドシートに特化した話ではあるものの、電動キックボードや自転車のルールなど、現在、届いていない情報の伝達に関しても役に立つ内容になっています。
*無料。どなたでもご参加いただけます!
日時:2025年11月27日(木)
16時~17時30分(開場15時30分)
会場:日本自動車会館
東京都港区芝大門1-1-30
くるまプラザ内 第1~3会議室
*zoomによるハイブリッド開催
チャイルドシートを使う保護者(元保護者)を中心に一万人を超えるアンケートをとった結果を発表するとともに、その結果をもとに、インターネットでいかに安全情報を発信していくべきか。また、ネットで安全に関する情報をとらないユーザーに対しては、どのような手段があるのか。さらに、情報を得たあと、行動を変えてもらうには、どうすればいいのかといった情報(提言)を共有させていただきます。
お申込みは、検索ワード『IATTSシンポジウム』、もしくは、ポスターのQRコード、または下記URLから。
■SNSとAI時代に、いかに安全情報を届けるか ~チャイルドシートの使用実態と情報発信の課題~
参加申し込みページ
https://www.iatss.or.jp/event/sympo/Child_seat.html
ご参加、お待ち申し上げます!
SNSとAI時代に、いかに安全情報を届けるか ~チャイルドシートの使用実態と情報発信の課題~
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。




