オムロン ソーシアルソリューションズは12月4日、伊藤忠商事のグループ会社のグリッドシェアジャパンが展開する分散型電源プラットフォーム「GridShare」事業に出資参画したと発表した。
本件は、オムロン ソーシアルソリューションズのほか、九州電力、中部電力ミライズ、東急不動産、Lunar Energy Inc.の計5社が新たに株主として参画するもので、分散型電源制御領域での連携を強化することを目的としている。
再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力需給の安定化や再エネ出力変動への対応が社会的な課題となっている。こうした中、地域に点在する小規模な再エネ発電や蓄電池などの分散型電源を統合的に制御することで、仮想的な発電所として需給調整を行うVPP事業が注目を集めている。
グリッドシェアジャパンが展開する「GridShare」は、AIを活用して蓄電池などの分散型電源を遠隔制御し、電力需給の最適化や市場取引への活用を可能にするプラットフォームだ。
オムロン ソーシアルソリューションズは本出資を通じて、分散型電源の最適制御を基盤としたVPP事業への参画を進めるとともに、容量市場・需給調整市場などの市場取引に向けた実証を進めている。
同社はこれまで、エネルギーマネジメント分野において系統連系技術と制御技術を活かしたソリューションを提供してきた。今回の出資により、複数の取り組みを進める。
具体的には、蓄電池の群制御を活用し、自家消費の最大化や経済DRによる価値創出を行う。分散型電源の最適制御を通じた市場取引(容量市場・需給調整市場など)への対応を進める。GridShareプラットフォームを活用した発電予測や電力需要分析など、社会インフラを支えるデータ活用を推進する。
オムロン ソーシアルソリューションズは今後も、制御技術とデジタル技術の融合を通じて、分散型エネルギーの有効活用と再生可能エネルギーの最大利用を実現し、持続可能な社会づくりに貢献していく。
グリッドシェアジャパンは、伊藤忠商事とLunar Energy Inc.の協業により設立された企業で、AI技術を活用した分散型電源プラットフォーム「GridShare」を国内で展開している。同社は現在、約4万台の蓄電池をネットワーク接続し、AIによる最適制御を通じて電力需給バランスの調整や再エネの有効活用を推進している。




