音楽好きなドライバーならその音楽をより良い音で楽しみたいという願望を、少なからず抱いているに違いない。しかしコスト面が壁となる…。ところが実は、費用のかかりにくいサウンドアップ法もさまざまある。ここではその1つ1つを紹介している。
◆純正スピーカーが「フルレンジタイプ」なら、むしろチャンス!
今回は、「ツイーター」のみを追加する、または交換するという作戦について説明していく。この作戦は、スピーカーをそっくり交換するのと比べて費用がかかりにくい。システムアップの最初の一歩として有効だ。
なお、この作戦が相当に効く場合がある。それは、「純正スピーカーがフルレンジタイプの場合」だ。近年は純正スピーカーが2ウェイになっている車種が増えたが、高音再生の専用スピーカーであるツイーターが装備されていない車種も一部ある。そうであればむしろチャンスだ。
というのもそのようなケースでは、ドア内部に装着されているスピーカーだけで低音から高音までを鳴らすこととなるのだが、1つのスピーカーだけで全帯域をしっかり再生するのは困難だ。ましてやコストがかけられていない純正スピーカーではなおさらだ。
なのでそこにツイーターだけを加えると、サウンドクオリティがガラリと良くなる。
「チューンナップツイーター」の一例(カロッツェリア・TS-T746)。
◆純正スピーカーが2ウェイでも、市販ツイーターを加えるのはアリ!
一方、純正システムが2ウェイになっている場合はどうかというと、それでもある程度の音質アップは期待して良い。
なおその場合のやり方は2つある。1つは「純正のツイーターと交換する」というもので、もう1つは「純正ツイーターはそのままで市販ツイーターを加える」というものだ。
ちなみに後者は多少乱暴なやり方とも言えなくもないが、実行のハードルはやや下がる。純正ツイーターを外す手間を省けるからだ。そして純正ツイーターはそのままでも市販ツイーターを加えることで、より質の良い高音が再生され高域のクリア度は高まる。そしてさらには中低音にもより良い影響が少なからずもたらされる。試す価値はある。
ところで、ツイーターではなく「小型のフルレンジスピーカー(ミッドレンジスピーカー)」を加えるという手もある。
「チューンナップツイーター」の一例(カロッツェリア・_TS-T450)。◆さまざまなケースで「ミッドレンジ」の追加は有効!
この作戦は多くの場合で有効だ。これを実行すると中音も目の前から聴こえてくるので、サウンドステージが目前で展開しやすくなる。
なお一部の純正スピーカーの中にはそもそもツイーターではなく「ミッドレンジ」が装着されていることがある。そうであればそれを市販品へと交換することで、音が良くなる。
ところでツイーターの追加をDIYにて行うのは案外難しいので、取り付け作業はある程度コストはかかってもプロに任せた方が無難だ。ツイーター自体の固定は付属のマウントでダッシュボードの上にポンと置くようにすれば良いのだが、配線作業が簡単ではない。
どこかしら内張りパネルを外して純正ケーブルにアクセスする必要があり、そしてどこから信号を取り出すかの判断も難しい。さらには緊急通報システムが搭載されている場合には、やり方を間違えるとその機能が使えなくなることもある。ご注意を。
今回は以上だ。次回は「パワードサブウーファー」の導入について説明する。お楽しみに。




