AIベースのリアルタイム自動運転システムを手がけるイマジリー(Imagry)は、豊田通商と協力し、日本で自動運転バスシステムの実用化可能性を検証するパイロット事業に取り組むと発表した。
この実証実験が成功した場合、イマジリーは全国の公共交通事業者や自治体に対し、バスと運行管理システムが完全に統合された自動運転バスを提供する計画だ。
日本ではバス運転手が必要な数の約20%不足しており、2030年度には約3万6000人まで欠員が拡大する見込みだ。イマジリーの自動運転バスは運転手不足の解消に寄与し、車両増加や運行範囲拡大を可能にする。これにより、投資収益率の向上や移動の公平性、利用者の満足度向上、環境負荷軽減、道路渋滞緩和といった効果が期待されている。
パイロットで使われるバスは全長6.9メートルの電動eVersum midi-busで、最大38人乗車可能(車いす利用者1人を含む場合は32人)。ソフトウェアとハードウェアは標準製造工程内で搭載・統合され、公道における既存サービスエリアに併せた運行ルートで試験が実施される。
豊田通商は1948年創業の名古屋本社の商社兼投資会社で、トヨタグループの中核企業の一つだ。世界150以上の拠点と900超の子会社を持ち、多様な分野で事業展開している。
イマジリーは2018年からAIベースの自動運転技術を開発し、HDマップ不要のビジョンベース自動運転を特徴とする。米国、ドイツ、日本、イスラエルの公道で導入例があり、ハードウェアに依存しないため様々なプラットフォームに統合可能だ。




