カーオーディオシステムのアップグレードに関心のあるドライバー諸氏に向けて、機材選びのガイドとなる情報を多角的に開示している当連載。まずは音の出口となる重要パーツ、「スピーカー」の選択法を解説している。今回は“セットプラン”について説明していく。
「スピーカー」は「取り付け費用」が分かりにくい…。でも一発で知れるものがある!?
さて、カー用の「スピーカー」は売られている状態ではまだ半完成品だ。取り付けて初めて「スピーカー」としての体を成す。つまり「スピーカー」の取り付け作業はいわば、「スピーカー」を作る作業とも言える。なので取り付け作業には知識と経験が必要で、部材も要するのでそこにはある程度のコストがかかることとなる。
かくして「スピーカー」選びにおいては、取り付け費用も鑑みて予算を計上する必要がある。
ただし、「取り付け費用」がどのくらいかかるかは分かりづらい。どこまで手をかけるか(どこまで「スピーカー」としての完成度を上げるか)によって工賃が変化するからだ。
しかしながら、「取り付け費用」がいくらかかるのかが一発で分かる販売形態が存在している。それは、専門店ごとで用意されている“セットプラン”だ。
市販カースピーカーの一例(DLS・RC6.2Q)。
“セットプラン”なら、家にいながらにしていくらで「スピーカー」が付くかが分かる!
“セットプラン”とはつまり、製品と取り付けに必要な部材、そして取り付け工賃までがすべて込み込みで価格が設定されているものことを指す。そして多くの場合それらの情報は、各専門店のHPにて知れる。
だしセット内容は各店によって異なるので、各店ごとの“セットプラン”の価格の単純比較は難しい。
では、“セットプラン”のセット内容の違いがどこに出るのかを説明していこう。まずは「インナーバッフル」に違いが出てくる。
ちなみに「インナーバッフル」とはドアスピーカーの土台となるパーツだ。これを用いないとドアスピーカーは付かないと思って良い。で、音のことを考えるならワンオフしたい。取り付ける「スピーカー」にジャストなものを用意した方が良いからだ。しかしワンオフするとコストがかかりがちとなるので、価格を抑えようとする場合にはリーズナブルな市販品が使われることとなる。
市販カースピーカーの一例(DLS・RCS6.2i)。「デッドニング」も含まれる場合とそうではない場合とがあり、価格が変化!
そして「デッドニング」も、価格が変化するポイントとなる。なお「デッドニング」とはざっくり、ドア内部の音響的なコンディションを整えるための作業だ。
で、徹底的に「スピーカー」としての完成度を上げようとすると、この部分にそこそこ大きなコストがかかる。なので、“セットプラン”では価格を下げるために「デッドニング」が省かれることもあり、または必要最低限のメニューにとどめられることもある。逆に、手厚い内容の「デッドニング」も含まれていることもある。
なので“セットプラン”の価格を見るときには、製品単体の価格と“セットプラン”の価格とを比較してみよう。そうして価格差が大きい場合には、「デッドニング」も手厚く行われる設定だと推測できる。
逆に、製品単体の価格と“セットプラン”の価格との差が小さい場合には、「デッドニング」は含まれてはいないか、軽めのメニューとなっている場合が多い。なので、「スピーカー」としての完成度を高めたいと思うときには、「デッドニング」は同時に、または後から追加で施工すべきだ。
今回は以上だ。次回は“セットプラン”についてさらに詳しく説明していく。お読み逃しのなきように。




