日本の自動車産業は各地で芽生えた---原点をたどる

『日本自動車史』
『日本自動車史』全 2 枚

日本の自動車産業が各地域でどのように誕生し、発展していったのかを丹念に追った自動車史研究書が登場した。

【画像全2枚】

三樹書房の『日本自動車史』〈増補版〉は、明治、大正、昭和初期における日本各地の自動車産業の黎明期を対象に、先駆者たちの軌跡と知られざる史実を掘り起こしている。

本書は、自動車歴史考証家の佐々木烈氏が、生涯をかけて収集した膨大な資料をもとに構成された。全国の図書館や公民館を巡り、新聞資料を精査し、国立国会図書館での調査や関係者への聞き取りを重ねるなど、長年にわたる研究成果がまとめられている。佐々木氏の研究姿勢は、国立科学博物館の研究者からも高く評価されてきた。その功績により、2014年には日本自動車殿堂の殿堂者として顕彰されている。

今回の増補では、初版刊行後に著者が晩年までに収集していた新たな関係資料が加えられた。著者の遺品から発見された、現在では入手困難とされる資料の一部を精選し、巻末に収録している。

もともと本書の内容は、日刊自動車新聞での連載を基に2004年に書籍化されたものだ。初版が長期間品切れとなる中で、研究の進展を踏まえた増補が検討されていたが、2019年に著者が急逝した。その後、遺族から資料の寄贈を受け、初版原本に残されていた修正メモや新聞の切り抜きなどを確認。編集部は、研究を続けていた著者の意思を継ぐ形で、これらの資料を新たに収録し、黎明期編としてまとめた。


日本自動車史』〈増補版〉
黎明期編
著者:佐々木烈(ささき・いさお。自動車歴史考証家)
発行:三樹書房
体裁:A5判・上製・304頁
定価:4950円(本体価格4500円)

目次
第1章 日本最初の自動車技師 林平太郎の生涯
第2章 自動車販売店の開祖 松井民治郎の生涯
第3章 花のいのちは短くて、初の国産自動車製作者 吉田真太郎の生涯
第4章 ロコモビル蒸気自動車の輸入と関税問題
第5章 第5回内国勧業博覧会と乗合自動車のはじめ
第6章 国産第一号車の徹底的解明、山羽蒸気自動車は走ったか
第7章 東京のバス創業史
第8章 千葉県自動車はじめ探訪記
第9章 新潟、香川、埼玉、山形各県と国産米山式自動車
第10章 長野県最初の乗合自動車
第11章 橋本増治郎とダットの人々
第12章 明治交通史の最後を飾ったタクシーの出現
第13章 明治の自動車税について
自動車年表(1895~1913年)
あとがき

出版・編集関連事業に携わる方々へ:御社で発行されるモビリティ(自動車、モーターサイクルなど)関連書籍/雑誌を当編集部までお送りください。『レスポンス』サイト上にて紹介いたします。送り先は「〒164-0012 東京都中野区本町1-32-2 ハーモニータワー17階 株式会社イード『レスポンス』編集部」。

《高木啓》

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