5レベルと10主要技術を分析することで見えてくるSDVロードマップ[インタビュー]

5レベルと10主要技術を分析することで見えてくるSDVロードマップ[インタビュー]
5レベルと10主要技術を分析することで見えてくるSDVロードマップ[インタビュー]全 6 枚

業界では、市場の潮流は(電動車関連の)パワートレイン論争からSDVに移ったとされる。すべての車がSDVになるわけではないが、グローバル市場での競争軸は明らかに変わっている。必要なのはエキスパートによる解像度の高い分析である。

定性的な分析と定量調査・アンケート調査で見るSDV

レスポンスセミナー「SDVロードマップ2040~進化するモビリティと取るべき対応の方向性~」は、SDVの定義、もたらされる市場変化、関連法規の整理、AIとの融合による自動運転について、最新動向を踏まえつつ多角的に分析する。講師はPwCコンサルティング インダストリートランスフォーメーション ディレクター渡邉伸一郎氏、および同 シニアマネージャー 糸田周平氏。

CASE革命からSDVに至るまでの市場変化、ソフトウェアシフトといった動きは改めて説明するまでもないかもしれない。車両ハードウェアを中心としたビジネスモデルからモビリティやコト売りへの変貌などで説明されることが多い。理屈はわかるのだが、現場で車づくりをしている側からすればもう少し解像度の高い分析が欲しいところだ。

日本のようにこれまで勝ち組にいた側にとって、「新しい市場」「新しい付加価値」と言われてもピンとこない。業界を内側から見ても景色が変わったようには見えないからだ。だが、「巨人の肩に乗る」という言葉があるように、他人の目線で全体を眺めてみる必要がある。

PwCでは、SDV市場をどう分析しているのだろうか。今回のセミナーの特徴は、同社による市場分析の他独自の5か国消費者のアンケート調査の結果も参照している点だ。

SDVの定義と3つの領域

2024年時点でコネクテッドカーの販売比率は70%に達し、2035年には約92%の車がクラウドとつながっているという分析がある。また、SDV市場は2030年までCAGRで9%の成長を続けるとの予測もある。市場規模は4900億ドルを超える。このようなSDVを支える技術としてOTAが一般的だが、OTAには出荷後のメンテナンス以外に、セキュリティアップデートやリコール対応、継続的な機能拡張といった意味を持つ。そして、OTAの運用には、すでに国・地域ごとの差異も現れている。

これだけでも業界を変える要素として十分だが、セミナーではまずSDVの用語の整理から始まるという。

SDVとは、「ソフトウェアを基軸にモビリティの内外をつなぎ、ユーザーに新しい価値や体験を継続的に提供するエコシステム」と定義し、モビリティ(車両ハード、自動運転、HPCなど)、パーソナライズ、ロボタクシー、エネルギー、決済などのモビリティ外サービス、そして、AI、開発環境、OTA、セキュリティ、クラウドといったモビリティ環境の3つに分けて考えている(渡邉氏)。

SDVレベルと10の要素

セミナーのテーマである2040年までのSDVロードマップを作るには、SDVの要素技術やエコシステムの成熟度を指標化する必要がある。PwCでは、SDVレベルを0から5までを次のように定義した。

Lv0:機械制御車両(一部電子化)
Lv1:電気電子制御車両(ECU搭載)
Lv2:ソフトウェア制御車両(OTAはIVI領域のみに適用)
Lv3:部分SDV(ドメインアーキテクチャ・OTAは車両制御にも適用)
Lv4:完全SDV(ゾーンアーキテクチャ・OTAは車両制御を含む複数の機能に拡張)
Lv5:ソフトウェア定義エコシステム(モビリティ内外がシームレスに接続)

このうちLv3からが「SDV」と呼ばれるもので、日系OEMはこの段階にある。海外の先進プレーヤーはLv4の入り口に達している状態だ。

渡邉氏は、「先ほど分類した3つの領域の構成要素は、CASE関連の技術や要素の解像度を上げたもの、SDVを構成するアジェンダとみなすことができる」とも述べる。そして、各構成要素を以下の10に絞り込んだ。

1. UX
2. 収益構造
3. アプリ/サービス販売
4. ITインフラ/データ
5. コネクティビティ
6. 車両ハード、E/Eアーキテクチャ
7. ソフトウェア開発
8. ソフトウェア構造
9. サイバーセキュリティ
10. 半導体

セミナーでは、10の要素についてSDVレベルごとに実現される機能やサービス、鍵となる技術トピックスを一覧できるロードマップを示す予定だ。

各国の違いが顕著に表れたSDVアンケート

セミナーの後半は、糸田氏が担当する。ここでは、日本、米国、ドイツ、中国、インドの5か国の20~60代の男女(一般消費者)に実施したアンケート調査をもとに、その結果の一部を紹介するという。アンケートはSDVと自動運転、AIに関する認知度や期待度などを聞いている。さらに、自動運転やSDVの機能や付加価値にいくらまで負担できるか、といった項目も調査している。


《中尾真二》

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