江崎グリコと鴻池運輸は、乳業業界として初となる冷蔵機能を備えた燃料電池トラック(FCEV)を共同で導入し、運用を開始したと発表した。
FCEVは水素と酸素の化学反応によって電気を生み出し、その電力でモーターを駆動する車両である。排出は水のみで、CO2やNOxなどの有害物質を排出しない。本車両は岐阜工場で製造した学校給食用牛乳を地元の小学校に届ける。
従来のディーゼルトラックと比較して、年間約29.9トンのCO2出削減を見込んでいる。この削減量は、年間8万km走行した場合の試算値だ。
導入車両はいすゞ自動車製で、積載量2750kg、全長6.84m、航続距離約260km、水素充填時間約10分から15分という仕様である。トヨタファイナンスより鴻池運輸がリースを受けて使用する。
FCEVは走行時にCO2を排出せず、静音性や低振動といった特性から、住宅地や通学路をはじめとした学校周辺での運行にも適している。
今回のFCEV導入を契機に、両社は水素エネルギーの活用を推進する。岐阜工場内には既に燃料電池フォークリフトを導入しており、工場内外での水素利用を拡大することで、低炭素社会の実現を加速する。
また、工場に設置した水素ステーションは、通常の運用に加えて緊急時にはFCEVトラックへの水素供給を可能とし、事業継続を確保する。
運用開始後には、配送先の小学校で出前授業を実施する。FCEVの仕組みや水素エネルギーの特性をわかりやすく紹介し、次世代への環境教育を推進する。
今後は、冷蔵・冷凍・常温など複数温度帯に対応した運用可能性を検証し、食品物流の実用性を高める。また、小型車両での運用を検証し、FCEV大型車両や長距離輸送への展開を進め、さらなる物流のゼロエミッション化を図る。
両社は今後も、食品物流における低炭素社会の実現をリードし、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを加速していく。




