「『AFEELA』はラブ&ヘイト、独自路線を貫く」ソニー・ホンダモビリティCEO水野泰秀氏…CES 2026

ソニー・ホンダモビリティ 代表取締役会長 兼 CEO 水野泰秀氏
ソニー・ホンダモビリティ 代表取締役会長 兼 CEO 水野泰秀氏全 6 枚

ソニー・ホンダモビリティの第一弾モデル『AFEELA 1』が、いよいよ今年、量産開始を迎える。そして今回、CES 2026の舞台で第二弾モデル『AFEELA Prototype 2026』がワールドデビューを飾った。

ソニー・ホンダモビリティは、既存の自動車メーカーや、競合が見込まれるテスラと、どのような違いを訴求していくのだろうか。ソニー・ホンダモビリティ 代表取締役会長 兼 CEOの水野泰秀氏に、CES 2026の会場でインタビューした。

◆批判を恐れず独自路線を貫く

AFEELA Prototype 2026は、同社プレスカンファレンスの壇上で、AFEELA 1と同じように水野氏が呼び込み、自走して登場するという演出でデビューを飾った。水野氏は、その反響とデザインに込めた想いを次のように語った。

「今回発表したPrototypeは、非常に良い反応をいただいています 。実は、最初のAFEELA 1を出した時は、インターネット上などでかなり厳しいご意見もいただきました 。しかし、新型のPrototypeでもあえてキープコンセプトを貫いたデザイナー陣は、非常に立派だと思っています」

「我々が既存のレガシーメーカーのやり方に近寄ったり、あるいはテスラに似せたりしてしまったら、そこでもう終わりです 。自分たちの信じる道を突き進む、いわば“ラブ・アンド・ヘイト”の独自路線こそが、我々の生きる道だと確信しています。Prototypeを改めて見たことで、我々自身もAFEELA 1の良さを再確認することができました 。まずこのモデルでお客様としっかりコミュニケーションを取り、熱狂的なファンを作っていくことが、本筋へと向かうための重要なステップになります」

◆顧客との直接対話がブランドの力になる

ソニー・ホンダモビリティが掲げる戦略の柱の一つが、販売店を介さないD2C(Direct to Consumer)モデルだ。既存の自動車メーカーにとって、ディーラー網は強固な販売力であると同時に、メーカーと顧客との直接的な対話を妨げる場合もある。水野氏は、D2Cによる顧客とのダイレクトな関係性が、ブランド構築において極めて重要な役割を果たしていると語る。

「D2Cでお客様と直接対話できることは、我々にとって新しい取り組みであり、大きな武器になります。先日もサンノゼで40名ほどの現地のお客様と、非常に熱い議論を交わしました。そこには、長年ホンダ車を愛用しながら現在はテスラに乗っているという方もいらっしゃいましたが、彼らは『やっと(ソニーとホンダが)出してくれた。早くテストドライブをさせろ』と、驚くほどの熱量で期待を寄せてくれています。中には、ソニーのサウンド技術やアニメへの親和性に惹かれて予約を決めたという方もいます。お客様が何を考え、何に興味を持っているのかをダイレクトに聞ける環境は、今後の開発やマーケティングにおいて非常に重要です」

また、ソニーが持つIP(知的財産)の力、特にアニメーションとのタイアップが強力なフックとなっている点も興味深い。

「アニメの影響力は非常に大きいですね。『鬼滅の刃』とのタイアップによるラッピングカーなども実施しましたが、大きな反響がありました。日本のアニメを好む層は、クオリティやストーリー性を重視する、いわゆるギークな人々であり、自分の好きなものには投資を惜しまない傾向があります。ソニー・ホンダモビリティに対する信頼のイメージと、こうしたIPの力が融合することで、新しい顧客層との関係が生まれています」

◆SDVから「AIディファインド・ビークル」へ

近年、自動車の価値創出は、ソフトウェアが車両の価値を決めるSDVへと移行している。しかし、水野氏はさらにその先を見据えている。

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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