一般社団法人42 Tokyoは、東京都千代田区のTokyo Innovation Baseにて、第二回「自動運転ミニカーバトル」決勝レースを開催した。
イベントは、トヨタ自動車、マツダ、SUBARU、スマートホールディングスの支援のもと、参加者が「ものづくり×ソフトウェア開発」を実践的に学び、キャリアの選択肢を広げる機会を提供することを目的に開催された。
近年、自動車業界では「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」と呼ばれる技術革新が進み、ソフトウェア人材の確保が急務となっている。しかし、業界内でのソフトウェアスキルの具体的な活用方法への理解はまだ十分ではない。42 Tokyoは、この課題を解決するため、日本の基幹産業を支えるトップ企業と連携し、ハードウェア中心だった自動車産業において、ソフトウェアエンジニアが活躍する未来をリアルに想像できる場として、約3か月間の開発コンテストを実施した。
決勝レースには、42 Tokyoの学生、パートナー企業の有志、および一般応募者を含む総勢246名のエントリーの中から、厳しい予選を勝ち抜いた上位20チームが参戦した。各チームは、支給された5万円以内で最速のマシン制作に挑戦した。ラジコンをベースとした車体には、Raspberry Pi等のマイコン、超音波センサーによる距離計測やカメラを用いた画像認識技術が組み込まれ、Pythonによって独自の自動運転プログラムが実装されている。
会場である「Tokyo Innovation Base」に設置された特設コースには、高難度の「抜け道」やショートカットが可能な「クランク」、最高速が期待できる「ホームストレート」が用意された。「クランクでリスクを取ってショートカットするか、ハイスピードでコーナーを走行するか」など、各チームの戦略が分かれ、コンマ1秒を争うレース展開となった。
各チームには6分間の持ち時間が与えられ、その時間内であれば何度でも周回にチャレンジ可能だ。レース中に車体を調整し、予期せぬトラブルに見舞われながらもアルゴリズムを書き換えて挑み続けるなど、トライアンドエラーを繰り返すエンジニアらしい執念が各チームから感じられた。
優勝は、17秒49を記録したチーム「Ichis」。最速タイムを記録した上位3チームには賞金が贈られた。また、本イベントのスポンサーであるトヨタ自動車とマツダが、独自の軸で選出したチームにそれぞれ「トヨタ賞」「マツダ賞」も贈られた。
「トヨタ賞」に選ばれたのは、チーム「ドラ・ドライバーズ」。3周完走には至らなかったものの、「壁にぶつかったら確実に止まる」という、自動運転の根幹を支える安全技術への真摯なアプローチが評価された。チーム「ドラ・ドライバーズ」は研究開発施設「Toyota Technical Center Shimoyama」に招待される。
続いて、「マツダ賞」に選ばれたのは、チーム「Born2Ride」。勝利候補のチーム「Ichis」に勝利するため、直線の速度を極限まで高めるアルゴリズム変更を行うなど、熱意と真剣な目線が「心を動かすものづくり」として評価された。「マツダ賞」の副賞として、麻布台オフィスツアーおよび、車の開発に関わるエンジニアとのランチ会が贈られた。
42 Tokyoは、フランスの実業家が2013年に設立した「42」の日本キャンパスとして2020年6月に開校した学費無料のソフトウェアエンジニア養成機関。現在世界31か国57キャンパス(2025年10月時点)で展開されており、世界の大学ランキングである「World's Universities with Real Impact (WURI)」の「Global Top 400 Innovative Universities」で3位を獲得している(2025年)。




