三菱電機が、量子コンピューター系スタートアップのキュナシス(QunaSys)と共同で、製品設計・開発に用いる物理シミュレーション技術「CAE(Computer-Aided Engineering)」への量子コンピューター活用に向けた2つの基盤アルゴリズムを開発した。
CAEは流体・熱・構造・電磁界などの物理現象をコンピューターで再現し、設計探索や性能評価に役立てる技術だ。近年、製品の高性能化・高機能化に伴い、大規模かつ高精度なCAEへのニーズが高まっており、従来のコンピューターより計算を高速化できる可能性がある「量子CAE」が注目されている。
しかし量子CAEには、計算の実行コストと精度の両面で課題があった。CAEで扱う物理シミュレーションの多くは大規模な行列計算として表されるが、行列データをそのまま量子コンピューターで扱うと、量子回路に埋め込む際の正規化係数が大きくなり、量子ゲート操作や回路実行回数が膨大になる。その結果、量子計算による高速化の効果を十分に引き出せないという問題があった。また、量子回路の設計に必要なパラメーターの計算に不安定性があり、計算精度にも影響していた。



