VWの電気自動車専用プラットフォームMEBを使って誕生したのがこの『ID.4』。日本市場に導入されたのは2022年11月だったが、試乗車は2026年初頭に発表された仕様変更モデルだ。
◆+82ps、+235Nmの大幅パワーアップ
それまでのモデルに対しての違いは、動力性能が大幅に高められたことで、具体的には搭載するモーターのスペックが仕様変更前野150kW/310Nmから210kW/545Nmへとかなり高められた。別の表記のしかたでいうとパワーは+82ps、トルクについては31.6kgmから実に55.6kgmかつ、その発生回転数もそれまでの0-4621rpmから0-3675rpmへとより低いところで威力(?)を発揮するようになった。
もちろんID.4はパワフルさを身上とするクルマではないから、その部分の言及はほどほどにしておくことにするが、日常的な加速などで確かに力強さが増したのは実感するところだ。
VW ID.4 Pro
その一方で動力性能の増大に対処してのことか、足回りは(とくに低速走行時に)以前よりも若干だけ従来型以上に引き締まって感じた。このあたりは最新型には未試乗ながら、タイヤサイズ違いで効率追求寄りのスペックが与えられている「ID.4 Lite」とのキャラクターの違いがわかる部分かもしれない。
試乗車の「ID.4 Pro」は前後異サイズ(前:235/50 R20 100T、後:255/45 R20 101T)のHANKOCKタイヤを装着していて、静粛性などは問題なしだった。
◆まだまだ色褪せないトータルバランスの高さ
VW ID.4 Proそれとドライブモードセレクターが変更され、今は『ティグアン』などと同形状の丸みを帯びたヘッドのレバー式のそれがステアリングコラムに備わる。慣れ、好み次第でもあるが、筆者は初期型のディスプレイ右横に備わった角張ったノブを“奥に捻る/手前に戻す”と操作していたほうがより直感的だったようにも思った。
装備ではステアリングヒーター、前席シートヒーター(左右)ほか、Proの前席左右にはリラクゼーション機能(マッサージ機能)も備わるなど、充実度は高い。後席についても相変わらず広く快適で、このクルマの魅力のひとつとなっている。
その後、内外のBEVの車種も増えたが、持て余さないボディサイズと実用性、余裕のある一充電走行距離など、ID.4のトータルバランスの高さはまだまだ色褪せていない。
VW ID.4 Pro■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。




