車載器の企画開発・販売などを手がける東海クラリオンは10月15日、離島や過疎地域で深刻化する「交通空白」の解消に向け、住民同士の助け合いを基本とした持続可能な地域交通の必要性を提言した。
同社は沖縄県の多良間島で、住民が運行に参加する自動運転カートの実証実験を進めている。2025年8月の開始から約1年間で走行距離は1万1000kmを超えた。自動運転技術を活用しながら、地域住民が主体となって移動手段を維持する仕組みを検証している。
●交通空白は移動手段だけの問題ではない
全国で人口減少や高齢化が進み、バスやタクシーなどの公共交通サービスを維持することが難しくなっている。移動手段を確保できない「交通空白」は、国の重要課題となっている。10月16日には、交通空白の解消などを目的とした「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律」が施行される。
東海クラリオンは、交通空白の問題は単に移動手段が不足することだけではないと指摘する。移動が難しくなることで、買い物や通院に加え、人との交流や地域活動への参加機会も減少し、暮らしの基盤そのものが弱まるおそれがある。
これまで離島や過疎地域では、家族や近隣住民による送迎など、住民同士の助け合いが移動を支えてきた。しかし、高齢化や人口減少によって、その担い手も減りつつある。同社は、新しい移動手段を導入するだけでなく、地域の助け合いを将来にわたって維持できる仕組みが必要だとしている。



