三菱自動車は10月29日、新型『パジェロ』の日本での発売を正式に発表した。フラッグシップSUVとして進化した新型は、上質さや快適性を備えながら 2.4リットルクリーンディーゼルターボエンジンと8速AT、そして三菱独自の車両運動統合制御システム「S-AWC」や「スーパーセレクト4WD-II」などを搭載し、走行性能も大幅に高められたという。
新型パジェロが目指した走りとは。開発責任者に話を聞いた。
◆実現したのは「不安を感じさせない走り」

新型パジェロの開発責任者をつとめた三菱自動車プロジェクト推進室SCVE(Light Commercial Vehicle)CVEの松本貴明さんは、現行の『パジェロスポーツ』も担当した。その松本さんが、パジェロの走行性能でこだわったのは、「不安感を与えない走り」だという。
多くの電子制御が搭載されるが、「制御は裏で動いていればいい」という考えのもと、それらが作動した時にも乗員に違和感を与えないようにすることを徹底した。
「そうなれば、普通に乗ることができて、ストレスなく安全だと思うのです。ここをいかに作り込むか、不自然さを出さないかを開発陣一丸となって、特に実験のメンバーたちが何度もトライアンドエラーを繰り返して開発しました」(松本さん)

そうした不安を如実に感じやすいのはステアリングとブレーキ操作だ。新型パジェロではEPSと呼ばれる電動ステアリングを採用しているが、「一部のEPS搭載車は低速から高速になるまでの間に突然ステアリングが重くなったり軽くなったりすることがある」という。「特に軽くなると怖いですよね。パジェロではその境界線をほとんど感じないように、自然と軽くなっているような制御にしています」と松本さんは説明する。
ブレーキに関しては、パジェロでは電動ブレーキブースターを搭載していることもあり、「ブレーキペダルの踏力に対する実際の利き方、つまり踏力の増減に対する自由度が重要」だという。具体的にはドライバーがこれぐらい踏んだら、これぐらい減速してほしいという意思通りのストッピングパワーが発生するのが理想で、「自然な動き、自然な挙動に対して注力して開発しました」と述べた。
良路ではブレーキコントロールがストレスなく行えることで、疲労軽減に貢献するだけでなく、悪路ではドライバーの意思に忠実な挙動を実現することで安全性の向上にもつながる。
◆悪路走破性と良路快適性の両立

パジェロは悪路走破性と同時に、フラッグシップSUVらしいオンロードの乗り心地の良さも重視された。ではどちらに重きが置かれたのか。「パジェロの特徴はどこにでも行けることです。悪路を走るだけがパジェロではなく、良路でも快適に走ることができる。それが目指すべき方向」だと話す。



